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?. ミンドロ島における日本住血吸虫症の血清疫学と媒介貝調査

松田肇
二瓶直子
ミンドロ島における住血吸虫症対策は、本年度が3年目に当たる。今回は、まず過去2年間の貝学的調査で残されていた生息地18ヵ所全てを調査し、48ヵ所全てのコロニーにつき正確な位置を確定することができた。また、本調査にともない貝の棲息密度の算定、住血吸虫の感染状況の調査を実施した。また、抗体検査を指標に地域ごとに調査を行っているが、対策地としてSan NarcisoおよびSan Pedroの両村に加え、本年は新たにMalabo村を選定し、濾紙採血による血清疫学調査と糞便検査を実施した。全ての調査はミンドロ島住血吸虫症コントロールチーム(SCRT)職員の全面的な協力の下に行われた。
1. San Narciso, San PedroおよびMalabo村住民の血清疫学調査
San NarcisoとSan Pedroは、一昨年および昨年に引き続き、またMalaboは本年度初めて調査の対象とした村落である。前年度検査漏れのあった住民を対象に濾紙採血を行い抗体検査を実施した。まず家屋の分布と人口調査を行い各村落に居住する住民を登録した。人口構成は3村とも典型的な農村型で0才〜9才までが最も多く、次いで10才台〜20才台であった(図1、2、3)。

 

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図1 オリエンタル・ミンドロのSan Narciso村住民の年齢構成(1996年)

 

 

 

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