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高次境界要素法による波漂流減衰力の計算

Wave Drift Damping Computed by Higher Order Boundary Element Method
木下健、朱栄、鮑偉光
KINOSHITA Takeshi, ZHU Rong and BAO Weiguang
東京大学生産技術研究所
Institute of Industrial Science
The University of Tokyo
Keywords: Slow drift motion, Wave drift damping, HEM
ABSTRACT
Large floating structures moored in ocean have a long period of resonance due to the weak restoring forces offered by the mooring system. It is easy to induce large amplitude of excursion in horizontal plane because the damping caused by wave-making, vortex-shedding and friction is quite small. Then, the wave drift damping plays an important role in predicting this slow drift motion, It has been shown by the recent semi-analytical researches that the calculated results are in good agreement with the experimental data. In the present work, the boundary value of interaction between problem waves and current is solved by the hybrid higher order boundary element method and the wave drift damping is then computed. The results for a truncated circular cylinder are compared with the semi-analytical solution. A series calculation is carried out for ellipsoids with different breadth and draught to investigate the effects on the wave drift damping.
1. 序論
波浪中の海洋構造物のディフラクション、ラディエーションに関する境界値開題の数値解析手法として、固有関数展開法、有限要素法、境界要素法などがある。
固有関数展開法、1)2)3)4)は物理的意味を明確にしやすく有効な手法ではあるか、対象とする構造物の形状に制限を受ける。
本論文では、ハイブリッド境界要約上5)6)を用いる。この手法は、領域を円筒の仮想境界で分割し、内部領域に対しては境界要素法を、外部領域に対しては自由表面・水底・放射条件を満足する解析解を用いて、仮想境界上で両者を接続して解。(従って狭い閉領域の境界のみを要素分割する。
本論文では波と流れの共存する場合、高次要素を用いた境界要素法により波漂流減衰力を計算する。
海洋構造物か波と潮流の作用を同時に受ける場合や波浪中を曳航される場合に作用する流体力、あるいは不規則波中で長周期運動を行う係留浮体の減衰力を推定するには、波と流れの共々場における流体力についての知識か不可欠である波と流れが共存する場合、波と流れは相互にに干渉し合うため、それぞれが単独に作用した場の流体力を単純に重ね合わせるだけでは流体力を正しく予測することはできない。特に、海洋構造物のように肥大物体では、物体の存在による流れの変形か波による流体力に大きな影響を及ぼす。
2. 境界値問題
2−1. 座標系
座標系は図1に示すように、静水面上に原点Oを持つ右手座標系である。Ωは流体領域、SBはは物体表面、SHは水底、SFは自由表面、SRは原点から距離r0の位置にある円筒の仮想境界である。また、S∞は無限遠方での境界を示し、CB、CRはそれそれ物体表面、仮想境界と自由表面との交線である。また、仮想境界を含む外部領域ΩRでは、O−rθZの円筒座標系を用いる、なお、各境界上に立てた法線は流体より外向きを正とする
入射波は、x軸とβの角度をもって、振幅ζ0として入射し、一様な流れの方向はx軸の負方向として、推進hの海域に設置された海洋構造物は、平均位置まわりで一定の周波数で動揺している。

 

 

 

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