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過疎地城の将来に向けた広域的整備のあり方に関する研究

REMOTED ISLAND'S PRESERVATION WITH ADVANCED THEORY OF RISK-MANAGEMENT
田中信行 佐伯建設工業(株) TANAKA Nobuyuki Saeki Construction
宮崎均 前橋市立工業短大 MIYAZAKI Hitosi Prof., Dept of Architecture, Maebashi City College
近藤健雄 日本大学理工学部海洋建築工学科 KONDO Takeo Dept. of Oceanic Architecture and Engineering, college of Science & Technology , Nikon Univ, Dr.Eng.
ABSTRACT
Against remoted island that, at present, holds many problems, I expanded the risk, risk management that considers remoted island environment as a hazard for a population decrease. As the result, were able to evaluate what the center of a risk from a large-isolated-type island shifts to a mainland-nearcontacting-type island. For the next, Result to examine a coping with plan against Problems, from a character in question, actual human movement quantity for an area, population decrease rate, we classified it four types for a mainland-interval-bridge type, an immigration-propulsive type, an island-inside-completion type, a conventional-preparation type, evaluated it direction of a preparation.
Keyword: Remoted island, Risk Management, Risk-Hazard, Geographical 6-types, Intensived-Function, Networked-Function
1. はじめに
産業構造が急速に変化し、陸上輸送が主流となった高度経済成長期以降、離島地域は以前の、交通拠点、漁業基地としての機能を失うとともに、辺境としての性格を強めつつある。例えば、本土市場への距離、海上輸送のコスト、不安定性から、産業、生活両面において困難を強いられた。さらに、傾斜地、絶対的土地不足など地理的制約が農業基盤、生活基盤整備の阻害要件となり、若者にとって若者にとっても魅力を欠いたものとなりつつある。離島地域は、離島振興法による各種社会資本整備にも係わらず、都市との格差を拡大し、相対的に定住条件の悪化を進行させている 1)。
このような状況を鑑み本研究では、前報において、離島環境を社会特性、立地特性といった2つの特性から捉えることにより、離島が抱える根本的な問題である人口問題につながる地域構造を評価し、近年の人口問題の変化とその背景について論及した 注1)。
本報では、離島環境に対し、リスクマネージメント理論の手法を応用する。それにより、同地域の今後の整備の方向性を含めた検討を行う上での一つの考えを示すものである。背景として、過剰ともいえる公共投資が多くの離島地域でみられる。例えば、離島振興法制定当初から政策の一つとして掲げられている、海上交通基盤上の一島一船(一島一航路)の方策であり、当初は人口規模、距離に係わらず、ほとんどの離島を対象に進められた。しかし、多くの航路では過疎化の進展に伴って、輸送需要が低迷し、国庫補助による航路は、平成4年現在、全体427航路のうち約55%の239航路にも上る。このように離島振興の中で整備が最も進んだといわれる交通基盤を取り上げてみてもこの状況である 2)。
2. 研究の概要
2−1. 研究の概念研究の背景をまとめ、Fig-1に示す。本研究は、離島地域の公共投資額など様々な面で必ずしも効率的とは言えない現状、人口問題が離島地域の中で依然として根を下ろした問題となっていることなどから、これまでの離島整備方策に異議を唱え、新たな整備方策への指針を模索するものである。
そこで本研究は、昨年、阪神淡路大震災時に注目されたリスクマネージメント(危機管理:Risk-Management:以下、R.M.と略称)理論に注目する。当時、同理論を取り入れることにより地域整備の方向性が多方面で議論された 3)が、筆者らの主題とする離島整備評価も同様の

 

 

 

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