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海洋観測用AUV「R-oneRobot」の航行システムの構築

Development of Undersea Navigation System for Ocean Surveying AUV 'R-one Robot'
大和裕幸*・浦環***・菅野崇**・坂巻降***
Hiroyuki YAMATO,Tamaki URA,Takashi SUGANO,Takashi SAKAMAKI
Keyword: AUV, Architecture, Guidance and Control, Ocean surveying, R-one Robot
Abstract
This paper introduces a control system architecture for the ocean survey Autonomous Underwater Vehicle R-one Robot which serves as the testbed for the future development for the actual use. The mission of the AUV is assumed essentially terrain following to observe the sea bed by its payload instruments. AUV's action to the environment is carefully analyzed and developed into modules to give preferable actions to the sensory data. Autonomous actions may be represented by the series of the actions to the environment by modular components. The architecture was installed on the computer simulator in conjunction with the Multi Vehicle Simulator which provided the environmental sensory data, and the test showed good autonomous performance.
1.はじめに
1−1.海洋観測用AUV「R-one Robot」
今後の海洋観測および海洋開発を担う機器として、AUV(Autonomous Underwater Vehicle)が期待されている。AUVとはROV(Remotory Operated Vehicle)と異なり、潜水艇と母船のケーブルでの結束は無く、着水後は人間の手を借りずに自ら行動を決定し、与えられたミッションを実行する。
AUVの開発は、行動決定を自分自身行わなければならないため、様々な研究がなされている。そして現在、東京大学と(株)三井造船との共同研究で、R-one計画が進行している。R-one計画では、試作AUV「R-one Robot」(略称R-one)を開発して、自律行動や構成コンポーネントに関する研究がなされている。1996年8月にR-oneの基本的な動作について実海域試験を成功させ、成果を上げている。
1−2.本論文での研究
本論文では、AUVの自律行動に関する研究として、R-one用のコントローラーを試作して、その有効性を確かめた。
コントローラーの構築に際しては、R-oneに合ったミッションを独自に設定して行った。コントローラーの構成は、ミッション中に考えられる状況において、必要となる行動を、それぞれモジュールとしてあらかじめ定義しておき、それらを適宜選択して航行を行う物を作成した。そして、東京大学生産技術研究所で開発された、海中ロボット開発用の環境シミュレーターMVS(Multi Vehicle Simulator)[1][2]を利用して、その有用性の検証を行った。その結果、このコントローラーが今後のR-one計画及びAUVの開発において有益であるという結論を得たので報告する。
*東京大学大学院工学系研究科船舶海洋工学専攻
**株式会社東芝(研究当時・東京大学大学院船舶海洋工学専攻在学)
***東京大学生産技術研究所
2.R-one Robot
2−1.R-oneのハードウェア構成
R-oneの一般配置図をFig-1に示す。全長は約8m、直径約1.5mの魚雷型のAUVである[3][4]。R-oneは、航行型のAUVとして開発されており、主にメインスラスター(プロペラ)と左右のエレベーター(昇降舵)を利用して航行を行う。また、yaw方向の移動のためにメインスラスターを

288-1.gif

Fig-1.General arrangement of R-one

 

 

 

 

 

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