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管内水中清掃ロボットの開発

Development of the Under Water Pipe Cleaning Robot
足達 康行 (株式会社 東京久栄 技術部開発課)
中野 治 (株式会社 東京久栄 潜水技術部)
Yasuyuki Adachi, Tokyo Kyuei, 3-1-15 Nihonbashi, Chuou-ku, Tokyo, Japan
Osamu Nakagawa, Tokyo Kyuei
Key Words; Sea Water Intake Facilities, Adhesion Biology. Under Water Pipe Cleaning Robot
ABSTRACT
The cleaning robot has developed in order to lighten an under water pipe cleaning work which is carried out by a diver. This robot consists of a main body, a rotational arm and a driving arm in order to move this robot in a pipe. At the top of the rotational arm, a removing head is mounted, and the cleaning of a pipe is carried out by means of rotating the rotational arm pushing this head to a pipe wall. The rotational and driving arm is able to expand and contract by using a stepping motor and an air cylinder respectively.
A cleaning performance of this robot is more than 100?/hr. and this performance is about five times as large as a diver. Furthermore, this performance, differ from the case of a diver, is not depend on a kind of biology adhering on pipe wall.
This report describes the principle and outline of the under water pipe cleaning robot and the results of actual experiment of the intake pipe cleaning work of a power plant.
1.はじめに
火力・原子力発電所においては復水器の冷却用に大量の海水を必要とする。この海水取水路の内壁にはムラサキイガイやフジツボといった海生生物が多量に付着する。取水路に付着した生物をそのまま放置すると、取水効率の低下しいては発電効率の低下につながるため、取水路の付着物を除去する清掃工事は重要な点検項目となっている。特に、取水ポンプから海側の取水路はドライにすることができない場合が多く、潜水士による水中作業によって清掃を行っている現状である。
この水中における清掃作業は過酷で危険ないわゆる3K作業であり、さらに将来的には作業潜水士の減少・高齢化が危惧されており、未熟練者の就労による工期の増加および安全性の低下といった問題点が発生する事が予想される。このような背景から、取水管あるいは取水路における水中清掃作業の機械化が熱望されていた。今回報告する管内水中清掃ロボットは上記の問題点を解決することを目的として開発を行ったものであり、本稿ではこの清掃ロボットの概要と実証試験の結果について述べる。
2.開発の経緯と開発コンセプト
我々は従来より既に開発されている水中清掃ロボットを実際の清掃工事に適用することについて検討を行ってきたか、
・従来工法に比べ施工費が増加する
・大口径塗覆装鋼管に対応可能なロボットがない
等の理由によりその利用が見送られてきた。特に経済性の面では、開発されているロボットが潜水士を必要としない非常に高機能なシステムであるために、その価格が高く、従来の潜水士による清掃作業に比べ施工費が大幅に高くなる状況であった。そこで、今回は管内水中清掃ロボット開発の第一歩として、潜水士と協調し、単純な動作で清掃作業が可能な直管のみを対象とすることにより、ロボットの機能を単純化し経済的に実用可能な清掃ロボッ

 

 

 

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