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高耐久性コンクリートに関する基礎的研究

A STUDY ON HIGH DURABILITY CONCURETE
梅村靖弘 Yasuhiro UIEMURA
原田宏 Hiroshi HARADA
日本大学理工学部土木工学科Depart of Civil Engineering, College of Science and Technology, Nihon University
〒101東京都千代田区神田駿河台1-8 1-8. Kanda-Surugadai, Chiyoda-ku, Tokyo, Japan, 101
KEY WORDS: Superplasticizer, Admixture, Blast furnance slag, Fly ash, Durability
ABSTRACT
In recent years, high-preformance concrete and high strength concrete is developed actively. This concrete contains a lot of cements. Increase of cement causes the crack due to drying shrinkage, heat of hydration and autogenous shrinkage of cement, also, this crack will bring the penetration of chloride ion and moisture in case of coastal reinforced concrete structures suffer from chloride attack. Therefore, it is necessary to reduce that cement and water content of concrete, keeping up the present concrete strength. This study, reducing the cement and water content of the concrete by using superplasticizer, blast furnance slag and fly ash admixures, examines also, experimentally, the high quality concrete. This high quality concrete controls the crack due to the heat of hydration and drying shrinkage, as well as, the penetration of chloride ion and moisture into hardened concrete.
1. はじめに
近年、従来一般に広く使用されてきたAE減水剤では得られなかった高い減水性能と流動化剤にない良好なスランプ保持性能を持つ高性能AE減水剤の開発により、高強度コンクリートや高流動コンクリートの研究開発が盛んに行われている。これらのコンクリートは、使用セメント量の増加により、乾燥収縮、セメントの自己収縮によるひびわれやセメント水和熱量の増加による温度ひびわれ、粘性増加に伴う施工性の悪さなどの検討課題が残されている。従って、使用セメント量の増加に起因するこれらのひびわれは、コンクリートの耐久性低下、特に沿岸域における塩害が予想されるような場合には品質低下の問題があり、セメント使用量を極力低減させて強度を確保する研究開発が必要である。また、省資源、省エネルギー化が謳われている昨今、セメント使用量を減らし、フライアッシュや高炉スラグ微粉末などの産業副産物の有効利用が社会的に要請されているのが現状である。フライアッシュ、高炉スラグ微粉末は、コンクリート用混和材として、単位水量の低減、ワーカビリチーの改善、水和発熱量の低減、長期強度の増進ならびに水密性の改善等が期待できる従って、高性能AE減水剤との併用により、従来の一般土木構造物用コンクリートの単位セメント量よりも少ないセメント量でも高品質なコンクリートの製造が可能であると考えられる。また、最近の土木学会の高性能AE減水剤を用いたコンクリートの施工指針(案)1)では、単位セメント量を270?/m3以上としており、270?/m3以下では、混和材を使用してワーカビリチーが確保される場合など、コンクリートの品質に悪影響を及ぼさないことを確認する必要があるとのみ明記されているが、この単位セメント量の領域での研究は殆ど研究されていないのが現状である。
従って、本研究では、通常の一般構造物用コンクリートの強度とワーカビリチーを確保し、高性能AE減水剤とフライアッシュ、高炉スラグ微粉末を使用して・水和発熱による温度ひびわれや乾燥収縮によるひびわれの原因となる単位水量と単位セメント量を低減し、塩害が予想される沿岸域においても塩素イオン、水分、酸素等が浸入し難い、耐久性に富む高品質コンクリートに関する基礎的実験を行った。

 

 

 

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