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プレハブ式桟橋工法による神戸港・緊急コンテナ埠頭の建設

及川研(運輸省第三港湾建設局震災復興建設部)
Ken Oikawa
高岡佳輝(運輸省第三港湾建設局震災復興建設部)
Yoshiki Takaoka
前開敏(東洋建設(株)大阪支店)
Satoshi Maeda
古川清(ポートコンサルタント(株))
Kiyoshi Furukawa
Key word:container wharf, prefabricated-piled-pier, precast concrete
ABSTRACT
A new concept of prefabricated-piled-pier techniques is introduced into the design of an emergency container wharf in the reconstruction of the port of Kobe. Damaged caisson type quay walls are used as earth retainings and steel pipe piles are driven in front of them. Precast concrete procedures for upper concrete works are employedto shorten construction time A precast floor slab with uniform thickness is applied instead of an ordinary beam and floor slab. PC hollow beams are used to connect the gap between them. These concrete members are installed by a large floating crane.
1.はじめに
阪神・淡路大震災により、わが国最大の国際貿易港神戸港の港湾施設は壊滅的な被害を受けた。港湾荷役上最優先されるべきコンテナ岸壁については、平成8年7月までに93バース(同復率55%)が供用されるまでに回復した。震災後、本格復旧工事は暫定共用岸壁の整備と並行して展開されており、7年11月には本緊急コンテナ埠頭の一部が供用開始となった。この緊急コンテナ埠頭は着工後わずか6ヶ月で共用開始にこぎつけるために、設計施工上でプレハブ式桟橋という新しい考え方を採用している。このプレハブ式桟橋では、従来の桟橋の施工方法の梁・床版構造の上部工に変わって、プレキャストの等厚コンクリート床版構造を採用するとともに、桟橋部と背後の土留め部とをPCホロー桁で連絡する等、ほとんどのコンクリート工をプレキャスト化している。現場の施工にあたっても、本体部の杭打ち工事と並行して、プレキャスト上部工の製作が可能となり、大幅な工程短縮が可能となった。
以下では、木緊急コンテナ埠頭の設計施工の工夫・考え方について紹介する。

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Photo-1. Restored Emergency Container wharf.

 

 

 

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