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日本型ミチゲーションを導入するための評価の捉え方についての一考察

An Examination of the Judgement in Introducing Japan's Mitigation Style
金芳晴1) Yoshiharu Kon
入江功2) Isao Irie
安武篤久3) Atsuhisa Yasutake
吉田直文4) Naofumi Yoshida
吉田温紀1)Atsunori Yoshida
1)オオバ技術サービス株式会社 OHBAENGINEERING SERVICE CO.,LTD.
2)九州大学教授 Professor of Civil Engineering Kyusyu University
3)財団法人沿岸開発技術研究センターC0ASTAL DEVELOPMENT INSTITUTE 0F TECHNOLOGY
4)株式会社三菱総合研究所 MITSUBISHI RESEARCH INSTITUTE,INC.
1. はじめに
四方を海に囲まれたわが国では、これまで経済活動の基盤を水際に求め経済面では成功をおさめたものの、反面では多くの水域の自然環境が失われ貴重な生物の生息域も失われた。
最近の沿岸域開発においては、環境面に対して配慮されるようになってきている。しかし、経済活動が活発になるにしたがって、沿岸域の開発が求められることが多くなり、環境への負荷が増大することへの懸念も高まってきている。
最近、「環境へのインパクトを極力減少し、修復し、または償う」ミチゲーション手法が注目されている。ここでは、経済、社会状況が欧米と異なるわが国にミチゲーション手法を導入する手段として、各種環境創造工法による生態系の創造をベクトルとして捉え評価する「日本型ミチゲーション」を提案し、これについての考察を行う。
2. ミチゲーションの定義
2−1. アメリカのミチゲーション
(1)ミチゲーションに対する見解
イ.経緯と所管
1934年に魚類野性保護法(Fish and Wildife CoordinationAct[FWCA])が制定され、この中にMITIGATIONということばが既にでている。
1969年には国家環境政策法(National Environmental PolicyAct[NEPA])が制定され、環境アセスメントが義務づけられた。特に、1972年には連邦水質汚染統制法[FWPCA](1977,[CWA])が制定され、この中の404条で、取締りを工兵団が実施することを決定した。このことがミチゲーションを進める上で大きな進歩となった。
・工兵団の解釈ミチゲーション結果がゼロインパクトであればよい。
・環境庁の解釈生息の破壊を避け、最小にするオルタナティブテストを優先する。
ロ.ミチゲーションの定義
「環境に優しくする(MITIGATION)」という単語は、開発により環境に与える悪い影響を和らげるという意味であるが、環境の質に関する連邦委員会は、規制の決定する際に参考にするため、次のような定義を包括的に

 

 

 

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