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海水浄化のための防波堤一体型海水交流工の開発

Development of The Water-Intake Works Attached to Breakwater
山本潤*1中山哲嚴*2、中村克彦*2
Ymamamoto Jun, Nakayama Akiyoshi, Nakamura Katuhiko
*1水産庁漁港部計画課
Planning Dividion, Fishing Port Department, Fisheries Agency, Gov., Japan
*2水産工学研究所
National Research Institute of Fisheries Engineering
Key words; Water Intake. Warter Purification
ABSTRUCT
This water-intake works is compsed of a slope, a submerged mound ,a pool and inlet pipes. Hydraulic model testwere carried out. Incident wave height, wave-setup at the pool which is located on the breakewater ,and Water inflow velocity were measured. It is made clear that wave-setup and inflow velocity are depend upon incident wave height, depth of submerged mound and tide level. Acording to the results of these model tests, a method for calculating water inflow velocity are developped. And calculated value shows good agreement with measured one.
1. はじめに.
内湾等の閉鎖性水域では臨海部の開発に伴う藻場、干潟の減少並びに海水交換率の低下によって海域の浄化能力が低下している地域が少なくない。更に各種排水や海面養殖などの汚濁負荷量は増加しており、富栄養化が進行しているのが現状である。また一方では漁港内の静穏な水域において漁獲物を一時的に蓄養することが盛んに行われるようになっている。このような現状で漁港の整備を行う場合できるだけ周辺の水質を保全或は改善することが重要な課題となっている。近年、漁港の拡張のための防波堤の設置水深は深くなってきている。著者らは比較的水深の浅い地点(6m程度)での波浪エネルギーを利用した海水交流工を開発しているが、同様の構造を大水深(10m以深)で適用することは経済的な面から困難である。そこで、大水深域での海水交流促進のための経済的な海水交流工を考案し、その水理特性を把握するための模型実験を行った。あわせてこの種の構造によって得られる海水導入量の算定モデルについて検討した。以下にその内容について報告する。
2. 実験手法及び実験諸元
使用した水路は長さ約100m、幅2m、深さ2mである。水路端から約30mの区間に中央に仕切り壁を設けた(ただし水路端から1.5mは仕切り壁は設けていない)。水路の片方は水平床、水路端に消波装置を設置し、もう一方に海水交流工の模型を設置し、その前面は勾配1/30の斜面である(図1参照)。中央に仕切り壁を設けたのは海水交流工による流入水を戻し、海水交流工背後の水位を一定に保つためである。
海水交流工の模型を図2に示す。構造は2つに分類される。模型前部は斜面(1:2の勾配)であり、模型後

079-1.gif

図1. 実験水路及び模型

Fig1. Wave Channel and a model

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図2. 海水交流工模型

Fig2. Water-intake works

 

 

 

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