港湾用ケーソンの省力化技術の現状

LABOUR SAVING TECHNOLOGY FOR CAISSON FABRICATION OF PORT FACIUTLES

清宮理* 藤澤孝夫**

Osamu KIYOMJYA and Takao FUJISAWA

*運輸省港湾技術研究所 構造部 構造強度研究室長（工博）

Ministry of Transport,Port and Harbour Research Lnstitute,Structural Mechanics Laboratory,PhD

**運輸省港湾技術研究所 構造部 構造強度研究室

Ministry of Transport,Port and Harbour Research Institute,Structural Mechanics Laboratory

Keywords: Labour Saving, Caisson, Mcsh reinforcement, Pannel method

ABSTRACT

Lack of construction workers is serious problem at caisson yard. Fabrication of the caissons needs many workers for arrangement of steel bars, frame work, concrete casting,etc. New technologies:mesh reinforced bars, panel method, high flowability concrete are proposed to cope with the social problem. In this report,mechanical properties as to mesh reinforcement and panel method are introduced. The mesh reinforcement by spot welding has less fatigue strength rather than ordinary reinforcement and the design method of the welded mesh reinforcement is discussed. The panel method by reinforced concrete plate or composite plate has joint parts. Strength and durability of this part is confirmed by indoor loading test and concrete casting test.

1. まえがき

港湾工事では、防波堤、護岸、桟橋、海底トンネル、空港などの建設が多い。特に鉄筋コンクリート製のケーソン製作、基礎マウンドの築造などに多くの労働者が必要である。港湾工事に従事している労働者は、高齢化が目立ち、中でも3Kと呼ばれる職種においては40歳以上の労働者が過半数を占めている。このような背景から、港湾工事のケーソン製作や潜水作業などでの省力化の要請が高まっているのが現状である。

現在、運輸省では港湾工事の省力化を重要な長期政策課題と位置づけている。省力化の基本戦略をTable-1に示す。これらの基本戦略を基に、運輸省港湾局、各港湾建設局、港湾技術研究所では省力化技術1)の課題の解決と現地への普及を行っているここでは、鉄筋コンクリート製の防波堤・護岸用ケーソン製作の省力化技術について紹介する。

Table-1 Labour Saving Technology of RC Structure

2. 港湾用ケーソンでの省力化技術

2−1. 鉄筋のユニット化

鉄筋コンクリート製のケーソン製作では、鉄筋組立、型枠組立と撤去およびコンクリート打設が主な工種である。中でも鉄筋組立は、作業員が鉄筋を一本づつ手作業で組立て、鉄筋の交点を結束線で結束する方法がとられている。高所作業で危険なうえ、同じ作業の繰返しでかつ人手がかかる。この作業を省力化するため鉄筋のユニット化が検討されているこの工法は地上に用意された縦筋と横筋を支持する架台上で、Fig-1に示すような鉄筋ユニットを製作し鉄筋の交点を緊結する鉄筋の緊結方法には、従来から行っている結束線による方法の他、溶接による方法がある溶接による緊結方法は、結束線に較べて鉄筋ユニット全体の剛性が高く、クレーンでの運搬時や建込み時の変形がほとんどない。また鉄筋ユニットは自動鉄筋組立装置と溶接ロボットを組合わせることによって、さらに省力化が可能になる。

鉄筋ユニット工法は、現在、小名浜港、常陸那珂港および横浜港のケーソン製作で採用されている鉄筋ユニットの配置例をFig-2に示すが、主にケーソンの隔壁

Fig-1 Unit Reinforcement

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