日本財団 図書館


3. バルト三国に対する我が国の技術協力の方向

 

 

 前述のような状況を勘案すると、バルト三国に対する技術協力を実施するにあたり、基本的には以下に示す諸点を考慮する必要がある。

 

(1)三国に対する国際協力の歴史的経緯を勘案すると、制度、技術などに関わる基本的な協力は当面EU諸国等に委ねる方向が適当と思われる。

 

(2)技術的に特殊な分野を除き、一般的に専門家派遣による協力は効果が薄いと思われるが、クライペダ航海研修所への専門家派遣は検討に値する。

 

(3)研修生の受入は、我が国の運輸関連制度、技術の水準、特徴などを知らしめ、西欧一辺倒でない考え方に馴染んでもらうといったアプローチが適当であろう。

 

(4)開発調査については、以下に示す案件が協力対象候補として挙げられる。
   ・リトアニア:クライペダ港整備
   ・エストニア:タリンーナルヴァ間鉄道路線改良
   ・ラトヴィア:一般道路改良

 

(5)上述の開発調査を実施するにあたっては、相手国の要請と我が国の対応可能性などを精査すると共にPHAREやEU諸国の援助の動向をより詳細に把握、調整するため、運輸分野の各サブセクター別にコンタクトミッションを派遣する必要がある。
(6)また、全般的に相手国の要請の重点が技術移転より資金供与にあることを考えると、開発調査に関しては我が国からの資金供与の可能性が高いコンポーネントを対象とする必要がある。

 

 最後に、本調査の実施に当たり、格別のご指導、ご協力を賜った運輸省運輸政策局国際業務第二課、運輸省港湾局建設課国際業務室、外務省経済協力局開発協力課、外務省欧亜局西欧第二課、デンマーク国日本大使館(リトアニア国兼轄)、エストニア国日本大使館の関係者の皆様に心より御礼申し上げます。

 

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION