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第1章  序論

1−1 調査の背景

 カンボジア国は、古い時代からフランスやヴェトナムといった諸外国からの侵略に見舞われ、さらに国内でも内戦などによって国土が荒廃してしまった。このように長い戦乱の影響により、カンボジアにおける運輸・交通のインフラは壊滅状態に陥ってしまった。しかし近年になってようやく世界銀行、ADBといった国際金融機関の援助を受けて修復・復旧が行われているところである。
 最近のタイ、マレーシアなどの近隣アジア諸国の経済成長は目覚ましく、さらにカンボジアと同様、旧ソ連の援助に頼っていたヴェトナムでも経済の復興が著しく改善されている。このような経済復調の影響はカンボジアにも及び、同国の経済も近隣諸国と同様に大きな発展を遂げようとしている。
 一方、このような急激な経済成長によって、バンコクやクアラルンプールなどの大都会でば自動車の混雑、大気汚染の公害問題などが社会問題となってきている。したがってカンボジア国の首都プノンペン市も近隣諸国の都市と同じように、車の急増による道路混雑、公害問題などが社会問題化しつつあり、今の内からプノンペン市の都市交通のあり方を策定することが求められている。
 以上のような背景を基に、プノンペン市および市郊外を含めた都市の運輸・交通のインフラの整備を効果的に進めていくため、「プノンペン市総合都市交通計画調査」を実施したものである。


1−2 調査の目的

 カンボジア国の急速な経済発展に伴って、プノンペン市の都市交通問題についても次第に深刻化するようになってきた。中でも、交通混雑、交通事故、交通公害など都市が抱える交通問題が最近大きく取り上げられるようになってきた。
 本調査は、プノンペン市における都市交通の現状を調査し、都市交通の問題改善に資するため各種データ・資料を収集し、日本の技術協力の可能性について調査することを目的としている。


1−3 調査団の構成

査団の構成は表1−1の通りである。

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