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一方向)に回ると、地球の自転と衛星の軌道上の動きは完全に同期をするので、地上の各点から衛星は赤道上に止まったように見える。これが静止衛星である。

 静止衛星を打上げるのには、まず、衛星をその軌道の地球から最も遠い点(遠地点)が、静止衛星の高度の近くになるような長楕円軌道(これを遷移軌道という)に上げ、遠地点で、衛星に付属している遠地点モータと呼ばれる推進器を吹かせて、赤道を回る円軌道(ドリフト軌道)に入れる。ついで、衛星付属の推進器と姿勢制御の細かい調整によって、時間をかけて、衛星を所定の位置に静止させ、その後の運用中も、一定期間ごとにその静止位置を保持するように再調整をする。静止衛星の場合は、その寿命はこの位置の再調整用の推進器の燃料によって制限される場合が多い。

 こうして地球上の高さHの衛星から見える地球上の地域は、衛星の直下点を中心とする直径Dの部分でDは、

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9・4極軌道の低軌道衛星

 極軌道の衛星とは、北極と南極のほぼ上を通って地球を縦に回る衛星(図9・2参照)で、一部の気象衛星(気象衛星には静止衛星もあるが、より詳しい雲の写

 

 

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