“0”の情報を正しく伝えることができれば、符号の振幅等は中で変化していても復調の過程で正しい符号で変換できるという点で大きな特長があり、陸上固定通信や衛星通信において現在ディジタル化のながれが盛んである。
一方、従来の船舶通信における、音声通信であるSSB又はFMにおいては、アナログ信号をディジタル信号に変えて伝送する前項で述べたようなディジタル通信は使用されていないが、最近開発されたインマルサットBシステムにおいては、音声通信においても、はじめてディジタル通信が利用されることになった。
また現在、船舶通信に利用されているディジタル通信は、信号源がもともとディジタルとなっているものをそのままディジタルとして送るものであり、代表的なシステムは狭帯域直接印刷電信(NBDP)、ナフテックス、ディジタル選択呼出装置(DSC)である。また、インマルサットAシステムにおいてもデータ通信はディジタルとなっている。インマルサットのデータ通信においては陸上のマイクロ波回線を利用する多重無線システム等と同じような考えができるので、利用される技術も同じものを利用している。船舶通信独特なディジタル通信といえるものには、NBDP、ナフテックス、DSCがある。その詳細については、蟻装工事及び保守整備編第1章を参照のこと。