んど流さないという性質がある。これを整流作用と呼んでいる。また図2・6(c)のような電圧を順方向電圧(順バイアス)、図2・6(b)のような電圧を逆方向電圧(逆バイアス)という。
ダイオードは、回路図上では図2・8(a)に示すような記号で表し、順バイアス電流が流れる方向に矢印を向ける。ダイオードの実物には、図2・8(b)のように回路図用の記号がそのまま付されているもの、図2・8(c)のように順バイアスの-側にカソードマークと呼ばれるマークのあるもの、図2・8ダイオードの記号(a)と実物の図2・8(d)のように形によって判別されるもの等がある。

2・2・2ダイオードの種類
半導体を利用したダイオードにはいろいろな構造のものがある。またその用途も整流用、検波用、発振用、変調用、電源安定用など広範囲である。以下に主なものについて述べる。
(1)検波用ダイオード
受信機の検波回路に用いられる高周波小電力用のものである。図2・9に示すようにN形ゲルマニウムあるいはシリコンの小片にタングステン線や白金合金線を接合させた構造になっている。金属側が+のとき順バイアスとなる。点接形ダイオードとも呼ばれる。
(2)整流用ダイオード
交流電源を直流電源に変換するときに用いられる出力電流の大きなダイオードで、主にPN接合の
