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放射できるということが法律で定められている。実際の運用上でも、円偏波と水平偏波を状況によって使い分けることが必要である。
図4・8の水平偏波と円偏波の映像写真を比較してみれば分かるように、円偏波を使用すると雨滴の反射は非常に少なくなり、実験の結果によれば1/40〜1/100程度になる。しかし、一般の目標物についても、その形状や材質によっては雨滴と同じように非常に反射の悪くなるものがあるので注意が必要である。例えば、単純な形をしているブイや灯台などで、最近よくブイ等に取り付けられている三重反射形のコーナーレフレクタは特に悪くなる。このような物標に対しては水平偏波を使用すべきであって、状況によって適当に円偏波と水平偏波を使い分けることが必要である。
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水平偏波空中線を使って雨滴反射妨害が現れた例
(湾内の小物標は判別できない)
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円偏波空中線を使って雨滴反射妨害を除去した例
(湾内の小物標も判別できる)
図4・8 水平偏波と円偏波の映像の比較
4・5 プロッティング設備
レーダーの装備が義務付けられている500総トン以上の船舶には甲種レーダー(電波法では第1種)を備えなければならないが、これらのレーダーには必ずプロッティング設備を持たなければならないことになっている。
このプロッティング設備として認められているものには、プロッティングボード(プロット盤)として市販されているもののほかに、レーダー指示器の画面上において、グリース鉛筆で相手船の航跡等を書き込むことのできるリフレクションプロッタ等がある。ただし、1,600総トン以上の船舶には、リフレクションプロッタ又はこれと同等以上の効力を有するプロッティング設備を備えなければならないことになっている。
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