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第4章 レーダーの付属装置

 

4・1 真方位装置

最も基本的なレーダーの表示方式は相対方位指示方式で自船の船首方向をCRTの真上方向として物標の方位を表示する方式である。図4・1に示すように、相対方位指示方式では自船の船首方向からθのところに他船がある。これに対し、真方位指示方式では、図4・2に示すようにCRTの真上が常に真北(N)と一致し、真北を基準とした方位を測定することになる。このため、自船の進行方向は真北からβの方向で、他船の位置はαとなるので、αとβの差が相手船との方位角度θとなる。真方位指示方式の利点は、海図と映像の方位関係が比較しやすいことである。
相対方位指示方式から真方位指示方式に変える装置が真方位装置で、その構成を図4・3に示す。差動発信器(制御発信器)は回転変圧器の一種で、回転の角度信号を電気信号に変換するものである。この場合は、空中線の相対方位信号とジャイロコンパスからの船首方位信号の差を差動発信器で検出し、この差の信号をサーボアンプで増幅して、サーボモーターを回転させる。指示器のサーボモーターが回転すると偏向コイルも一緒に回転するので、スイープは真方位方向に対応して出ることになる。(レピータモーターの回転は、船首方向のβに対して−βなので、差をとるとθ−(−β)=θ十β=αとなる。)

 

 

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図4.1 相対方位指示方式

 

 

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図4・2 真方位指示方式

 

 

 

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