標として識別できなくなる。パルス幅をτ(μs)とすれば、指示器の画面上に、A、B、二つの物標を映像として分離できる最小の距離Rは、
となる。
(2・5)
つまり、パルス輻τが短いほど距離分解能は良くなる。また、距離分解能は、輝点の大きさとレンジの関係も影響する。
2・4 方位分解能
自船から等距離にあって方位が異なっている二つの物標が、二つの物標として分離できる最小の方位角度を方位分解能といい、主に空中線の水平指向特性によって決まる。
この空中線の水平指向特性は、図2・3に示すように一般の最大電力が半分になる方向線間の角度をもって表し、これをビーム幅又はビームの半値幅とよんでいる。空中線のビーム幅θは、次式に示すように使用波長に比例し空中線の有効長に反比例する。
(2・6)
θ:空中線のビーム幅(度)
λ:使用波長(m)
D:空中線の有効長(開口長)(m)
k:空中線の電流分布によって決まる定数
いま、レーダーからほぼ等距離に近接した物標AとBがあるとする。レーダービームは図2・4のように横方向にある広がりを持っているので、時計方向に回転しているとすれば、まずAの映像が現れ、次にBの映像が現れてくる。この場合A、B物標が図のような位置関係にあれば、A物
図2・3 空中線の水平指向特性
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