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図1・2 電波の見通し距離
海面からの空中線の高さをh a(m)、物標の高さをh t(m)とすると、光学的見通し距離は
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(1・4)
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(1・5)
これに対してマイクロ波の場合は、光より更に下方へ曲がり、その距離Dは次式で算出できる。
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(1・6)
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(1・7)
したがって、例えばh a=20mの高さから見たマイクロ波による水平線までの距離を考えてみるとh t=0であるから
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海里となる。
1・4 レーダーの周波数と電波の型式
レーダーに使用するマイクロ波の周波数はその目的に応じて選ばれる。一般に波長が短いほど小さな物標を識別できるが、同時に雨滴等による減衰も大きくなるため最大探知距離が小さくなる。したがって、3cmより短い波長、たとえば、1cm以下のミリ波などは遠距離探知の必要のない飛行場の滑走路とか、港湾内の管制用のレーダー等に使われている。
船舶や航空機等に搭載するレーダーは、空中線の寸法等の関係から表1・3に示すように10cm、5cm、3cm程度の波長のものが大部分である。
これらのレーダーの、波長による性質の相違は表に示すとおりであり、普通は波長3?のレーダーを基本とし、2台目のレーダを備えるときに、5?波または10?波のレーダーを追加する場合が多い。
レーダーでは図1・3に示すように、極めて短時間だけ一定振幅のマイクロ波を繰り返し送出する。このような電波をパルス波といい、パルスが送出されている時間をパルス幅という。また、一つのパルスが発射され、引き続いて次のパルスが発射されるまでの時間をパルスの繰り返し周期といい、これは、パルス幅に比べてはるかに長い時間である。このようなパルス電波の型式はPONと表示する。
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