
3.3. 広域航法衛星システム(GNSS)に関する調査
3.3.1 ICAOのGNSSPにおける標準化の動向調査
3.3.1.1 FAAのWAAS計画と飛行実験
アメリカのNASに現在の地上ベースの複合システムに代わり、これとは異なった新しい衛星ベースの航法システムを導入し、洋上、エンルート、ターミナルからCatIに至る航空機のほぼ全航行領域を単一システムで実現しようとするGPS WAASに対し、FAAの計画及び1998年の導入のための大陸横断飛行試験ならびにその結果の検討等を含む包括的な報告*があったのでその要旨について述べる。
1. FAA活動経過
NASへのGPS導入のためにFAAが今までに行ってきた主要活動は次の通りである。
(1)1991年FAA長官の要請でRTCAはGNSS早期導入のユーザ合意形成のため作業班を設置し将来の航空システムの容量、効率、安全性の向上に現在がGNSS導入の好機とした。
(2)1992年11月FAAは精密進入システム手法の研究、およびCatIII実用性プログラムを開始、1995年末を完了とした。
(3)1993年6月、FAAはGPSをエンルートより非精密進入までの補助航法として承認
(4)1994年2月FAAはNAS内でのIOC宣言、同年9月SCAT用DGPS承認基準FAA Order 8400.11を発行、同年12月GPSを洋上、遠隔地の主要航法に承認
2.FAAの衛星航法プログラム
(1)導入経過
地上ベースシステムから衛星ベースシステムヘ移行するための4ステップを次に示す

(2)FAAのプログラム領域
FAAの開発、導入プロセスはR&Dから、運用手順の導入、システム取得、国内・国際協調の態勢作り等の4分野から成る。(図3.3.1.1−1参照)
3. WAAS
FAAは上記ステップ2までの補強を行ってきたが機上のみの対応では改良度が低く洋上、エンルート以外では要件を満たさないので地上ベースの補強が必要となり、図3.3.1.1−2のようなWAASによるNAS支援策を決定したが、実際には約24の地上局とデータトランスポンダ装備の数個の静止衛星が必要になると考えられている。
*R.Loh,V.Wullschleger,B.Elrod,etc,TheU.S.Wide−Area Augmentation System(WAAS),Navigation Vol 42,No3 1995
前ページ 目次へ 次ページ
|

|