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識を持ってもらうという点からも重要である。
また、青少年の自主性や思考力、判断力、創造性などを育成する観点から、それぞれの利用団体が活動プログラムを企画する際には、指導者だけではなく活動する青少年自らが参画するようアドバイスをしていくことも重要である。

 

?C時代のニーズにあった施設設備
ア 明るく清々しい施設に
魅力ある施設となるためには、運営のソフト面の改善を図るだけでなく、施設や設備のハード面を時代のニーズに即したものにしていくことが必要である。
特に国立青年の家については、昭和34年以降に設置されたので、かなり老朽化が進んでいる施設も多くなっている。また、設置当時と現在とでは、社会全体の豊かさが大きく異なっており、公共の施設に対する要求水準もかなり高くなってきている。こうした中、豊かな時代に育った青年層の期待に応えるためには、施設のグレードを見直して、明るく清々しい印象の施設にしていく必要がある。

 

イ 多様なニーズに対応できる施設
利用者層の変化に伴い、青少年教育施設に求められる機能も大きく変化している。これまでの施設は、基本的には、比較的大きな規模の団体が集団で活動する場合を想定して建てられた。このため、小グループや家族での利用や多様な活動のニーズに必ずしも十分に対応できない状況が見られ、また、プライバシーを重視する現代の青少年や外国人の感覚にそぐわない面もある。
したがって、今後は、文化的な活動などを含め、利用者に多様な活動の場を提供することができるよう施設を整備したり、個人や少人数でも利用しやすい宿泊室などを設けていくことが必要である。その際、利用者が自由に交流できるようなオープンスペースを広くとったり、障害者でも利用しやすいような配慮をすることも重要である。
また、建物に木材をふんだんに活用したり、鳥や昆虫が集まりやすい場所や風力発電などの設備を設けるなどして、自然の中にある施設として、環境面への配慮や自然観察、環境教育における活用などを図っていくことが大切である。

 

(2)学社融合を目指して
?@青少年教育施設の教育力をフルに発揮
ア 先導的事業の開発
国立青年の家・少年自然の家においては、これまでも、現代的課題に対応した先導的な事業を実施し、その普及を図ってきた。例えば、環境教育対応事業や科学離れ対応事業などはその一例である。
今後はさらに、青少年教育施設の有する宿泊機能や自然環境などの特色を活かして、その教育力をフルに発揮し、これまでの枠にとらわれずに、様々な課題に対して積極的に挑戦していくことが重要である。

 

 

 

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