
(2)第2の方向は、「学社融合を目指して」である。
これは、生涯学習社会の中で、青少年教育施設の持つ教育力、可能性をフルに発揮し、学校教育と社会教育が融合し本形で、青少年の育成を図っていこうというものである。
現在、青少年教育施設における利用団体の活動や主催事業の内容について見ると、自然体験やスポーツ、レクリエーションなどが多くなっていることから、ともすればこれらの施設は身体的活動を中心とする場と思われたり、ある種の制限があるという印象をもたれている面がある。これは、施設の利用の大半を占める学校利用においても同様であり、学校においても、青少年教育施設とは、通常の学校という場ではどうしても行えないような活動をするところという認識があり、施設活用の範囲は必ずしも広いとは言えない状況にある。
これからの生涯学習社会においては、学校と学校外の教育がそれぞれの役割を分担した上で連携を図っていくというだけでなく、それ以上に、相互がオーバーラップしつつ、融合した形で行われていくことが必要であり、また、それがむしろ自然でもある。
青少年の育成に当たって、このような学社融合を図っていくためには、まず、青少年教育施設の側が、これまでの枠にとらわれずに、様々な面でその教育力をフルに発揮した新しい活動プログラムの開発や事業の展開を図り、学校教育サイドに理解を求めていくことが必要であり、国立青年の家・少年自然の家が、その先頭に立っていくことが求められている。
国立青年の家・少年自然の家が、これまでの枠を打ち破って、新たなものに積極的に挑戦し、その中から成果を産み出してこそ、青少年教育施設における新たな教育の展開、学校教育の中だけではなし得なかった、学社融合による新たな青少年の育成が可能になるのである。
(3)第3の方向は「地域の中核に」である。
これは、地域の青少年教育施設の中核になることはもちろんのこと、青少年の学校外活動のあらゆる面において、国立青年の家・少年自然の家が地域の中核となって、リーダーシップを発揮していこうというものである。
学校外活動のより一層の充実のためには、これまでのように、各青少年教育施設が単独でこれに取り組むのではなく、地域の青少年教育施設が連携して取り組むことが重要である。このため、国立青年の家・少年自然の家が、それぞれの地域においてリーダーシップを発揮しながら、体系的な研修事業の実施や各種の情報の収集・提供を効果的に行うとともに、学校外活動の重要性についての啓発などを行っていく必要がある。
また、今後は、単に青少年教育施設だけでなく、それ以外の施設や民間団体などとも広く連携を図り、その中核となっていくことが重要である。
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