
国立青年の家・少年自然の家の改善について(報告)
−より魅力ある施設に生まれ変わるために−
平成7年7月18日
国立青年の家・少年自然の家の在り方に関する調査研究協力者会議
はじめに
現代の青少年については、様々な問題が指摘されているが、その要因として、体験活動の不足が大きくクローズアップされている。青年の家、少年自然の家などの青少年教育施設は、これまでも集団宿泊や自然体験などの体験活動の場を提供してきており、その役割が改めて重視されている。
本協力者会議は、このような状況を踏まえ、国立青年の家・少年自然の家の計画的設置が完了した現段階において、これまでの成果を踏まえつつ、国立青年の家・少年自然の家が今後いかにあるべきか、その在り方について検討を行うため、平成6年1月に発足したものである。このたび、その調査研究の結果を取りまとめたので、ここに報告する、
1. 国立青年の家・少年白然の家の現状と課題
(1)青少年はいま
?@現代の青少年をめぐる問題
我が国は、戦後急速な経済発展を成し遂げ、世界でも有数の経済大国となった。これにより現代の青少年は、多くの「モノ」に囲まれながら経済的な豊かさを享受した生活を送ることができるようになった。また、合理的な考え方を持ち、社交的で物怖じせず国際感覚も豊かな青少年が多くなっていると言われている。
現代の青少年については、このようなプラス面の評価がなされる一方、社会性の発達や自己確立の遅れ、自ら行動を選択し実践する意欲や能力の不足など、マイナス面の指摘も多々なされている。また、登校拒否やいじめなども大きな問題となっている。
?A家庭や地域における活動体験等の不足
こうした問題の背景としては、都市化、核家族化、少子化などによる家庭や地域の教育力の低下、受験競争の過熱化に伴う過度の塾通いなど、青少年を取り巻く社会状況の変化によるゆとりやうるおいの不足、子供たちの遊びやライフスタイルの変化に伴う人間関係の希薄化、生活体験、活動体験の不足などがあげられる。
心身ともに調和のとれた成長のためには、学校教育における系統的・計画的な学習と学校外の様々な場面における豊富な生活体験や活動体験の積み重ねとのバランスに配慮する
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