日本財団 図書館


 

『ヤングパワーステーションの新たな挑戦』

〜青年の青年による青年のための館を目指して〜
広島市青少年センター館長 中道紘二
■若さがあふれる31歳の青年の館
広島市青少年センターは、全国初の都市型(非宿泊型)青年の家と大ホールを備える青少年会館を一体化した施設である。地理的には人口111万人の県都の中心部、中央公園の一角にあり、世界遺産に登録された原爆ドームや広島カープの本拠地の広島市民球場にも隣接し、交通の便は大変良い、昭和41年の成人の日の開館から昨年30周年を迎え、利用者から公募で選んだ「ヤングパワーステーション。31年目への挑戦!」をテーマに、今新しい時代に踏み出そうとしている。
年間利用件数は、特に昭和50年代半ばの、4,000件余りから急増しており、今年度は、9,000件に達する勢いである。都心という立地から学校や勤め帰りに利用する青年が多く、特に平日の夜間はいつも「満員御礼」。“青年の青年の家離れ”が言われる今日、当館では逆にロビーまであふれる青年の活動場所をどう確保するかが、嬉しさ半分の大きな課題となっている。限られた施設で最大限に受け入れをするために、美術室や商工自習室等の特別室を多目的に利用できるように改善したり、図書室や楽屋、展示ホールまでグループ活動に提供するなど、老朽化した施設ながら様々な工夫を重ねている。
■広島の青年の3つの“メツカ”に
年間利用件数の8割近くは、総数150を超える青年の自主活動グループが占めている。様々な活動分野があるが、その中の幾つかの分野で当館は広島の青年にとって“メッカ”的な場所となっている。まず第一のメッカは演劇である。昭和50年代半ばから10グループ前後が活動していたが、平成5年度から急に増え始めて現在30グループ近くに達し、市内の演劇グループの大半を占めるまでになっている。
第二のメッカはファンクダンスである。平成6年度から増加し始め、ファンクダンス教室を主催したことも起爆剤となって、現在約40グループが活動中。高校生から20歳代前半が中心で、ダボダボの服に工夫を凝らしたヘアスタイルの青年たちが、音楽に合わせてロビーにまであふれて踊っている。
第三のメッカはスケートボードである。当館の前に中央公園ハノーバー庭園があるが、数年前からスケートボードを楽しむ青年が増え、次第に全国に知られるメッカとなった。この庭園は本来は当館の管轄外であるが、青年の活動を支援するという立場から公園管轄課と協議して積極的に指導・助言を行ったり、大会の開催に協力してきた。しかし、先般、安全性やマナーの問題から大会を除いて当分利用禁止となってしまい、今後に課題を残している。これら3つの活動とも技術レベルはかなり高く、プロとして活躍する青年もここから生まれている。
■最大限の受け入れと利用者自治
当館の利用青年グループは大きく登録、非登録の2つに分けられる。登録グループは定期

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION