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第3章

熱いまなざし
〜青年の家への期待〜

 

『やわらかさとあたたかさ』

千葉県教育庁生涯学習部社会教育課長 渥美省一
■青年の家に勤務して
私自身、国立中央青年の家専門職員として3年間、千葉県立流山青年の家所長として2年間の勤務を経験させていただいた。
昭和58年4月から61年3月までの御殿場での生活は人生の転機をもたらしてくれた。四季折々の富士を間近に見つめながら自然の豊かさを満喫できた喜び。それにも増して楽しかったのは若い職員のエネルギーと熟年期を迎えた地元職員の厳しさとあたたかさの入り交じった人間集団との業務であり交流だった。
一家転住での赴任に異議を唱えて来た子供たちも、御殿場を去ることが決まった時は、「ここに住んでいるわけにはいかないのか」と言い出した。行きも帰りも家族の意志を踏みにじった私のわがままを押し通したつけがこの歳になって回って来たような感があり、悔いの残ることのひとつである。
さて、私が勤務していた頃が、青少年教育施設経営の変革期だったのではないだろうか。いやその波は、もっと以前から起こったのだが、名医による診察と検査が続けられていたのであろう。中央に対する風当たりが厳しかった時期であった。その後、県立の青年の家に赴任しても同類の病が診られたのである。
このような施設での経験と現在の仕事を通しての熱き想いと受け止めて欲しい。
■社会教育施設ウオッチング
仕事で青少年教育施設をはじめ、社会教育施設を訪問する機会が多い。サービスを職業としている場は一歩足を踏み込んだ途端、見えてしまうものがある。いくつか足を運んでいるうちに、再度利用するのをためらう施設とはどのような施設が、補足が必要な項目もあるが一読いただきたい。
(1)利用をためらう社会教育施設
1 利用者が少なく、閑散としている
2 職員が威張っている
3 職員が恐い
4 職員の姿が見えない(背中を向けて座っている)
5 利用規則が厳しい(難しい表現で、くどくどと書いてある)
6 利用手続きが面倒くさい
7 やたら汚い
8 暗い
9 掲示物に禁止する表現が多い
10 部屋という部屋に鍵がかかっている
11 施設の構造が閉鎖的だ(どこで何をしているのかわからない)
12 玄関でくつを履き変える
13 昼食の時間に利用者を締め出す(職員の昼食のため)
14 相談しても規則にないとはねつける
15 夜利用できない

 

 

 

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