
3. 地域に根ざして
ネットワークの形成『青年の家と青年団活動』
組合立日高判官館青年の家社会教育主事 中泉盛行
■はじめに
現在、全国的な傾向として若者の青年団離れが叫ばれて久しいが、ご多分に漏れず日高管内青年団体協議会の現状もかなり厳しい。日高管内9町の合計人口も過疎化の拍車が進む中、現在は8万人台に落ち込み、その中でも若者人口そのものの減少は顕著である。しかし、長い歴史と伝統を誇る青年団活動は細々ながらも活動を継続しており、その拠点としての青年の家の存在は大きい。
このレポートでは、青年の家が地域に根ざした施設として青年団活動とどのようにかかわって来たかをまとめてみたい。
■青年の家の概要
日高判官館青年の家は昭和41年1月に、北海道日高支庁管内9町による組合立の施設として新冠町に開所された。
日高管内は北海道としては気候は温和で特に冬の降雪量は少なく、その気候特性を生かした競走馬の産地として全国的に有名である。新冠町も競走馬生産が基幹産業で、ハイセイコーやオグリキャップやナリタブライアンが余生をおくる地としても全国的に知られており、夏の観光シーズンになると競馬ファンが多数訪れる所である。
当青年の家はそんな新冠町の中でも特に自然環境に恵まれた所に位置している。秀峰が続く日高山脈を背景に広々と続く、通称「サラブレッド銀座」といわれる牧場群に隣接し、海岸線にある森林としては広葉樹の種類が豊富なことで有名な判官館森林公園がすぐ裏山にある。そして、目の前には秋になると鮭の群れが押し寄せ冬には白鳥が飛来する新冠川が悠然と流れている。また、新冠川が注ぎ出る太平洋は歩いて5分の位置にある。青年の家を出て、吊り橋や遊歩道を抜けて判官館森林公園の裏山を上り、展望台から見渡す牧場群と日高山脈の眺望に歓声を上げ、ロマンティックな義経伝説の残る判官岬まで野の花を楽しみながら歩き、最後に太平洋に沈む夕日を眺める1時間ほどの散策コースは、北海道の雄大な景色と自然を十分に満喫できる。
施設内容は、定員60名規模の小規模施設ではあるが、平成7年度実績でみると道内組合立6
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