
1. 自主性を育てる
利用者のニーズにあった施設設備
静岡県立朝霧野外活動センター所長 小栗善郎
■朝霧野外活動センターの概要
昭和46年のボーイスカウト第13回世界ジャンボリー開催を記念し、昭和44年9月27日に開所した。施設の老朽化などの理由から全面改築をし平成8年6月落成し、宿泊施設定員200名、キャンプ場定員400名としてリニューアルオープンをした。
富士宮市街の北約24kmの朝霧高原のほぼ中央に位置し、標高は約860m、敷地面積215,874?u、敷地の東側には雄大な富士山を仰ぎ、牧草地、ひのきの林に囲まれている。富士五湖、東海自然歩道、溶岩洞穴などの自然環境に恵まれるとともに、パラグライダーやゴルフなどのスポーツ施設も多い。
■施設の改築について
専門分野の委員からなる策定委員会を設置して、21世紀を見通した、新しい青少年のための野外教育施設の基本構想をまとめ改築した。
(1)改築理由
1)宿泊施設
ア)収容人員の限界
イ)特別研修室の不足
ウ)施設の老朽化
2)キャンプ場施設
ア)森林及び土壌の保全
イ)トイレの改修と衛生管理
3)冬期利用の対策と施設の充実
(2)基本的な考え方
1)野外活動を主体とした青少年教育施設(性格)
恵まれた大自然の中ですべての青少年を対象に野外教育活動推進のセンターとして、幅広く機能、活動できる施設とする。
2)心豊かなたくましい青少年の育成(目的)
野外教育活動や共同生活を通して、自然への感謝の気持ちや自然を畏敬する心を育て、自分で生き抜く力を培うとともに、心豊かなたくましい青少年の育成を図る。
■建築意匠等
(1)本館棟
外観は森の中に建つ“子供の城”をテーマとし、ヨーロッパ中世の城郭的な雰囲気とし、明るさの演出とナチュラルな色調で仕上げ、エントランスホール床材にはアンモナイトなどの化石を含んでおり、屋根材は天然スレートで仕上げてある。富士山及び駿河湾の眺望を確保することを優先した配置とし、各部屋の窓からの雄大な景色が楽しめる。

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