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1. 自主性を育てる

受入れ事業のプログラムの充実「環境影響予測ゲーム」

神奈川県立伊勢原青年の家 川手隆生

 

■はじめに
学校や家庭で体験できないことを、体験できるところが青年の家や少年自然の家などの社会教育施設である。特に自然体験が不足している青少年にとって、絶好の場所であると言える。そういう意味で環境教育的な考え方を取り入れた自然体験プログラムを積極的に作ってきた。
さて、今回紹介するものは野外での自然体験プログラムではないが、「自然環境との共生」をゲーム感覚で疑似体験できるようにと考えたものである。特に現代の青少年を対象として意識して作り、ゲームを通して楽しみながら人間と自然との関わりを理解できるようにした。
なおゲームの詳しい内容については、この紙面では紹介できないので、平成8年6月発行の神奈川県立青年の家の平成7年度事業概要『魅力ある青年の家をめざして』を参照していただきたい。
■プログラム紹介
(1)ねらい
自分たちが暮らすことを想定した街作りをすることによって、人間生活が川(水)や自然(生態系)に及ぼす影響を理解してもらうことを目指している。自然と共生するには、どのような街作りが必要か、そのためにはどのような工夫が必要かをグループで話し合って考えてもらう。
(2)ゲーム内容
対象は、中学生以上(中学生には少し難しいので、説明に時間をかける必要がある)として、4〜6名のグループで行うゲームで得点が高いほどよい。
所要時間は2時間である。その中のゲーム実習の時間は60分で、次の課題をグループで協力して解決するものである。
〈課題〉
?@人の住んでいない100区画の自然の土地があります。ここに人口2万人の町を作ってください。ただし自然をできるだけ残し、人間にとって生活しやすい町にしてください。完成した町に名前をつけてください。
?A?@と同じ条件で、人口8万人の町を作ってください。
いわゆるシミュレーションゲームの一種で、与えられた条件のもとで街を作り、得点を高くすればよいというものである。得点の評価方法として、「自然度」「川のきれい度」「公共度」の3つの要素を取り入れた。
市街地(家庭からの屎尿・生活廃水処理の方法によって、4種類に分けた)、農耕地(家庭からの屎尿・生活廃水処理の方法によって、4種類に分けた)、残土捨て場、ゴルフ場、工業団地、植林地、丘陵地雑木林、山地自然林、平地林、ダム、ゴミ処分場という要素があり、それぞれカードにしてあり、与えられたゲーム盤(山地、丘陵地、平地の白然林・二次林で構成されていて、その中を川が流れている)の区画に割り当てていく。例えば、ダムは必ず作らなければな

 

 

 

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