
第2章 より魅力ある施設を目指して
1.自主性を育てる
多様な二一ズヘの対応と柔軟な運営
国立三瓶青年の家 事業課長 大西茂雄
■はじめに
国立三瓶青年の家は、平成8年度をもって、開所20周年の節目ある年を迎えた。これまでは、ややもすれば青年の家は規則が厳しく、かた苦しく、利用しにくいところと考えられがちであった。今は、そのイメージを払拭し、多くの青年に効果的に利用されることを目標として、事業運営の改善充実に鋭意努めているところである。
■多様なニーズヘの対応
昨今の利用者のニーズは多様である。また、青年の家に対する地域社会や高校・大学等からの期待も多様であり、更に個人の学習要求も実に様々なものがある。
当青年の家では、事業を通して、それぞれの利用者・利用団体の「利用目的の達成」を図るための支援を事業運営の基調としている。そのため、これらの多様なニーズに対応する事業として、青少年の畜産科学教室、社会教育実習、リフレッシュウィーク事業、青年国際交流フォーラム、中高大学生の各種スポーツ合同練習等を実施している。
■教育研修機能の拡充
この多様なニーズに対応するため、当青年の家では、その持つ教育研修機能の拡充に鋭意努めている。たとえば、平成8年度には、「文武伝承館」を新設し、武道活動、文化活動、歴史学習活動のために新たな施設を整備した。一方では、各種の教材教具等の充実も図っている。もちろん、これらをもって十分ではないので、現在、教育研修機能の拡充は、当青年の家の緊要な課題であると考えている。この一環として、各界の指導者の協力のもとに、多彩な講師陣を確保するため、その経費を利用団体が負担する「特別講師」の制度を設けた。
■事業運営の弾力化
当青年の家の利用者数は、平成2年度をピークに暫時減少の傾向にあった。これを改善するには、旧態依然の対応では困難であり、次のような改善を試みた結果、平成6年度からは毎年利用者が増えでいる。
◆主催事業の充実
青年の家のもつ教育研修機能は、主催事業を通じて開発・充実され、その周知普及が図られる。このため、当青年の家では効果的な各種の主催事業を数多く実施し、新しい青年の家のイメージづくりに努めている。
◆生活規律の見直し
集団生活の規律を守ることが、青年の家からの一方的な押しつけや、画一的な指導によるものであっては効果は低い。当青年の家では、利用者自らによる自主的な「教育研修活動の自主運営」と「団体生活の自主管理」をモットーとし、すべての利用者・利用団体に対して勧奨している。
◆個人利用や少人数グループの利用促進
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