
2日射病・熱射病になった時
日射病・熱射病は、高温多湿の環境に長時間おかれ、熱の放散が十分に行われない場合に起こる。意識状態は急激に悪化するので、迅速な手当てが必要である。
(1)日射病・熱射病の症状
最初に頭痛、めまい、全身の倦怠感、視力の低下が起こる。更に症状が進むと、意識が薄くなり、汗が出なくなる。皮膚は乾燥して紅潮し、体温は40度を超えることとする。このままの状態で放置しておくと、体温は42度を超え、血圧は下がり、脈拍も微弱となって、呼吸は乱れ、けいれん発作を起こし、死亡する場合もある。
(2)手当の手順
?体温を下げる。
風通しが良く、涼しい場所に傷病者を運び、身体を締めつけているベルト等を緩め、上着を脱がせて寝かせる。
可能であれば、冷たい水に濡らしたタオルや布を当てて全身を冷やしながら風を送る。
(日射病では逆に低体温となることもあるので、この場合には保温することが必要となってくる。)
?脈等の確認
皮膚が乾燥して、体温が高くなり、意識が薄れてきたら、呼吸と脈の状態を確認して、必要に応じて心肺蘇生を行う。
?水分の補給
体温が下がり、意識が戻った場合は、冷たい水を飲ませる。発汗が多い時は、薄い食塩水かスポーツドリンクを飲ませると良い。
3傷(創傷)を負った時
刃物で切った時、固い物にぶつかった時等何らかの外力が身体に加わって、皮膚や組織が損傷されることを創傷と言う。これらの傷を負った場合は、止血、感染防止のための洗浄、消毒等の処置を行わなければならない。
(1)スリ傷の手当て
水道の水寺で流しながら傷口を洗う。傷口をこすったり、押したりしてはならない。その後、清潔なガーゼ等を当てて包帯する。なお、消毒薬(オキシドール等の無色なものが良い。後で医師等が傷口を調べる際に傷口に消毒薬の色が付いていると、傷口の状態が判断できなくなる。)があれば、ガーゼ等を当
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