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は引渡し準備等が整えば曳航索を開放して迅速にすべての索を揚収する。曳航索を自船推進器に絡ませないよう注意する。

 

(4)曳航中の留意事項
イ曳航状態等の確認
曳航中は見張員を配置し、曳航状態等の確認を行う。
口通信の確保
被曳航船に乗組員が乗船している場合は、通信手段を確保する必要がある。
ハヨーインク対策
追い風を受ける場合、又は、無風の場合は、被曳航船は針路に対して左右45〜60度程度の角度で左右に揺れる場合がある。これをヨーイングというがヨーイングが生じると曳航索が緊張して切断の危険があるとともに、自船の保針が妨げられる。ヨーイングを防止するためには、被曳航のトリムをとも足(by the stern)にすることが有効である。又、可能な限り追い風を受けないような針路に変えて、その後、風向の変化を待って元の針路に変えることも必要である。
ヨーイングは、被曳航船のトリム、船体傾斜により左右されるが一般に船尾トリムが小さく、又、傾斜時には傾斜側に大きい。
対策としては、次の方法がある。

 

(イ)曳航速力を変えて変化の状況をみて、最小の時の速力をもって曳航する。
(ロ)被曳航船の舵を固定させる。
(ハ)被曳航船の船尾に、更に、一隻の救助船を配置して曳索に少し張力をかかる程度にして曳く。
5 甲板作業における事故防止
(1)荒天下作業における転倒・海中転落の防止
イライブラインの展張口自己確保用ロープ(命綱)の使用
ハヘルメット救命胴衣等の着装
ニ甲板上の移動物の固縛除去等による甲板上の整理曳航索の振れ回りによる殴打等の防止
(2)曳航索の振れ回りによる殴打等の防止
イ曳航索の振れ回り防止の制限を行う。
ロ不用意に曳航索に接近しない。又、曳航索の延長線上には立たない。
ハ変針、変速を行う際には、操船者と作業者の連絡を密にとる。

 

 

 

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