喧騒の日本を後ろ髪惹かれる思いで離れ、雨雲の間から時折日がさすビクトリア同際空港に降り立つたのは、1995年12月1日のことでした。これから1年間の研究生活を送るInstitute of Ocean Sciencesは空港のすぐ近くにあり、知り合いのデータ解析担当の方の出迎えを受けました。私がこの研究所に興味を抱いたのは、1989年の9月、.米国シアトルで開催された0ceans '89会議に参加した際に、シアトルから日帰りでInstitute of Ocean Sciences(以下IOSと記す)を訪問する機会があり、響グループの責任打であるテービッド・ファーマー氏にお会いし、音響によるジョージア海峡の流れ構造の観測について紹介を受けたことによります。私は当センターにおいて、深海域における底層流と海底微細地形の相互作用に関する研究に携わっており、それらの計測に音響手法を応用することができないものかと考えました。初めての訪問から約7年、希望がかないここIOSで研究生活