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実験施設の建設を企てているようであった。構想を伺いながら、ただ唖然とするばかりであった。

 

3.2 シムラッド社

シムラッド社はカナダのバンクーバーから車で約40分ほどのポートコクイトラムにある。バンクーバーに9月30日の夜に到着し、翌10月1日の朝タクシーでポートコクイトラムのシムラッド社を訪問した。

 

3.2.1 概要
写真10は会議室で撮影した写真で右から副社長のグレイ氏、品質管理部門マネージャーのギブソン氏、海洋科学技術センター吉川監事である。まず、グレイ氏からSIMRAD社の概要について説明を受けた。それによると、シムラッド社は製造品目ごとのグループで構成され、ノルウェーのSIMSONRadio社の出資により1947年に設立された。現在、同社では部門ごとにいくつかの海洋機器を製造しているそうである。同社が手がける製品には、油田など沿岸海域での利用目的では、フロートや船舶、軍事および海洋研究目的では港湾やシーレーンで利用する海底調査機器やマルチナロ一ビームエコーサウンダーなどの開発、マリーンではヨットやプレジャーボートなどに利用される電子機器や魚群探査機器などの開発を行っているとのことである。ポートコクイトラムにあるSIMRAD Mesotech社では音響調査機器が開発されている。現在は浅海域における海底の底質や堆積層調査の要求が高まり、このような目的の機器の開発が中心になりつつあるそうである。同社の従業員数はポートコクイトラムに50名、東海岸の施設に5名の計55名とのことであった続いて、ギブソン氏から施設の見学と説明を受けた。同社は音響機器の開発製造に必要な一連の設備を有し、耐圧容器などの機械部品、トランスデューサおよび電子機器などのハードウェアの開発および組立を行う。このほかシステムに必要になる演算プログラムなどソフトウェアの開発も行われて、システムとして完成させるようである。

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写真10 シムラッド社にて

(右からグレイ氏、ギブソン氏、吉川監事)

 

 

 

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