
まえがき
昭和32年以来、毎年実施されてきた船員労働安全衛生月間は、今年で40回目を迎えます。
この間、船員の災害防止については、船員災害防止基本計画の策定等関係者のたゆまぬ努力により昭和53年頃までは災害発生率は順調に減少を続けていましたが、それ以降はその減少傾向も鈍化してきたところです。
しかし、ここ数年はこの減少鈍化傾向に若干の改善のきざしがみられますが、船員の死亡災害については陸上産業と比較して依然として高い発生率となっております。
他方、近年の船員労働をとりまく状況は厳しく、船員の高齢化、乗組員の少数化、外国人との混乗化が進み、一方では若者の海離れも進んでおり、これらを踏まえ安心して働ける魅力ある職場づくりが急がれております。
このような状況にかんがみ海運・水産業の恒久的な発展を図るためには船員災害を着実に減少させ、船内における安全で快適な作業環境、居住環境を実現することが不可欠であり、全国一斉に実施される本月間に積極的に参加することにより安全衛生意識の高揚と船員災害根絶に向けての強い決意を持つことが大切です。
なお、平成8年度船員災害防止実施計画に定められた主要対策は、関係者が一体となって実施の推進に努め、とくに、災害の発生率が全国平均値を上回っている地域では関係者の密接な連携の下に、実効ある対策の推進に努めなければなりません。
今年度の月間スローガンは、“もう一度初心にかえって安全衛生’’であり、このスローガンの趣旨にのっとり全国各地で多彩な活動が展開されます。当協会では、「平成8年度(第40回)船員労働安全衛生月間実施要綱」及び「船員労働安全衛生月間実施要領」に基づきこの小冊子を作成しました。船舶所有者、船員及び海事関係者は、月間中はもちろんのこと年間を通して船員災害防止活動の一助として役立てて戴ければ幸甚に存じます。
平成8年7月
船員災害防止協会
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