
自己管理と安全衛生
平成六年六月十六日放送
船員災害防止協会
体と心の健康推進室長
岡島勉
船の社会の昔と今を比較しますと、ずいぶん変わりました。
今まで人が行っていた仕事を機械が肩代わりしたからです。
昔は、良きにつけ、悪さにつけ、ベテランの船員がいろいろと指導してくれており、悩みの相談相手にもなってくれていました。
今では、ゆっくり「カタフリ」する時間もなくなり、すべてを自分の責任と努力でやっていかなければなりません。
「病は気から」という言葉もあるように、健康とは、体だけでなく、心も健全でなければなりません。
人が生活しているところには外部からいろいろな「刺激」が加わってくるものです。
この刺激を、現在では「ストレス」とか「ストレッサー」という言葉で表現しています。
このストレスにも、良いものと悪いものがあります。
精神科医の先生のなかには、ストレスは大きな欲望を持つからであると言う方もいます。
ところで、逆に刺激が全くない生活というのも、またストレスになります。
人間の体は実に神秘的で、体の中でストレスを抑制する作用があり、これが裏目に出ていることも報告されています。
適度なストレスは、実は必要なものなのです。
そこでストレスを適度に調整するための方法が必要になってきます。
例えば、好きな趣味に打ち込むことや、運動で発散させること。
日々の生活に、ゆとりと生き甲斐を持つことが大切です。
適度のお酒も、ストレス解消の有効な手段となります。
また積極的に、自律訓練法や気功法などで気持ちをリラックスさせることも効果的ですし、逆に、信仰に逃避
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