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第15回全日本実業団空手道選手権大会
日時/1996年11月24日会場/日本武道館主催/全日本実業団空手道連盟
ベテラン大活躍!若手の追随許さず!

 

今大会はベテラン勢の活躍が目立った。男子形で8年ぶりに復帰した佐久本嗣男をはじめ、組手では、鈴木達雄、嶋崎貴子らが「まだまだ若いものには負けん」とばかりに大活躍を見せ、若手の追い上げを振りきりベテラン強しを魅せつけた。
蘇った自衛議体育学校、2年ぶりV!
実業団の組手競技は男女とも技有りふたつの一本勝負で行われる。
団体組手では一昨年までに3連覇を遂げていた自衛隊体育学校が2年ぶりに参加。体育学校では毎年行われていた空手道集合訓練(空手の指導者養成を目的とし、各部隊から数名ずつが参加して約6週間に渡って空手漬けの生活を送る)が2年に一回となったため昨年は不参加となってしまったのだ、その体育学校、4回戦のカーサフランカ戦の時に、中堅戦を終えたあたりで監督の座る位置が間違っていたとして一度失格を申し渡される。しかし審判協議の後、再試合という温情判決が下され仕切りなおしとなった。その結果、体育学校が5勝を上げて準決勝へ進出を果たす。準決勝では警視庁とあたり、これを3勝2敗で退けて決勝へ駒を進めた。
一方、反対側のブロックでは東日本大会優勝の川崎電気が準決勝で大阪市役所を破って決勝進出。自衛隊体育学校との対戦となり接戦を演じることとなった。
先鋒戦、体育学校・丹野宣徳vs川崎電気・大塚修一戦は、同じ大学の後輩である丹野を2−1で降した大塚が勝って、まずは川崎電気が1勝を上げる。続く次鋒戦、体育学校・工藤修平vs川崎電気・米山智戦は逆に体育学校の工藤が米山の蹴りの出合いをとった上段突きなどで2−1として体育学校。
1勝1敗で迎えた中堅戦、体育学校・田代秀宣vs川崎電気・菱谷孝仁戦は足払いからの突き技に冴えを見せた田代が2−0として体育学校に2勝目をもたらす。副将戦の体育学校・浦上直人vs川崎電気・近藤満はお互い粘って1−1で引き分け。
2勝1敗1分けの体育学校有利で迎えた大将戦。体育学校はご存じ吉玉宗生。対する川崎電気はこれも主砲の馬場秀和。ともに個人優勝の経験のあるふたりだが、この勝負は吉玉の上段蹴りの出合いをとった馬場が1−0で勝ち、2勝2敗1分けとする。しかし、総取得ポイント数6−5で体育学校が1ポイント優勢。僅差で自衛隊体育学校が優勝をものにした。
勝った体育学校・住吉勝城監督は、「決勝戦は実力伯仲していたが、特に次鋒の工藤が素晴らしかった。(カーサブランカ戦での一件は)監督のミスであんなことになり本当に申し訳ない。再試合を快諾してくれた相手に感謝しています。明日からまた集合訓練に一から取り組みます」と語った。

 

子供たちとの約束はどんなに小さなことでも守らなければならない
男子個人形では昨年優勝の阿部良樹が今年は不参加ながらも、長谷川伸一

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