日本財団 図書館


 

第40回全日本大学空手道選手権大会
●日時/1996年11月16・17日
●会場/青山学院大学記念館・日本武道館
●主催/全日本学生空手道連盟

 

日本大5年ぶりの全日本制覇

ここ数年、関西勢の活躍が目立っていた大学全日本だが、7年ぶりに関東同士の決勝となり日本大が5年ぶり6度目の全日本制覇を果たした。女子は近畿大が3年ぶりの優勝!

 

近畿大の緒戦敗退で崩れる西高東低神話
国士舘大、関西強豪校を次ぎ次ぎ連破!

 

例年は男子約60校、女手約40校の出場チームで争われる大学全日本だが、今大会は記念すべき40回を迎えたこともあり、全国から男子127校、女子61校の延べ188校の大学が集まった。大会日数も例年1日で行うところ、2日間かけて行われ、因みに男子の組み合わせは近畿大のみがシード。残りすべてのチームはノーシードとなり、近畿大以外は優勝までに7試合を勝ち抜かなければいけないことになった。
昨年までに前人未到の全日本3連覇を成し遂げた近畿大は、今年は怒濤の4連覇に挑む。10年余りの間にチームを急成長させた名伯楽、近畿大・木島明彦監督は「(この大会に向けて)やることはすべてやった。あとは運を天にまかすだけ」と天を仰ぐ。
この大記録を目前にした近畿大は2年生ながら7月に行われた世界学生個人戦と全日本学生個人戦の2冠を達成した秋吉偉二を筆頭に、主将の上田隆之(4年)気合充分の長井直樹(3年)、全関西大会6連覇の立役者・栗原渉(4年)、高校時代に数々の好成績を残す主原慶治(2年)等々、一部のスキもないメンバーで緒戦(2−4回戦)を突破し、ブロック決勝まで駒を進める。
Aブロック決勝(準々決勝)、近畿大の対戦相手は先の関東大会で優勝候補筆頭の日本大を破って準優勝となった国士舘大。
先鋒戦は学生世界チャンプの近畿大・秋吉が上段廻し蹴りの一本技を2回連続で極めて勝ち、続く次鋒戦も近畿大・栗原が3−3から中段突きを極めて、近畿大に2勝目をもたらす。
あっさりと2勝を上げ、準決勝進出に王手をかけた近畿大。逆にもう後のなくなった国士舘大。しかし中堅の近畿大・主原慶治(2年)VS国士舘大・細矢真人(3年)戦は主原が反則などで細矢にポイントを与え、4−3で細矢に勝ちを譲ってしまう。続く副将戦、近畿大・長井直樹VS国士舘大・笠木大輔(4年)戦は元気いっぱいの長井だったが、試合巧者・笠木の潜っての中段逆突きが冴え、4−2として国士舘大が2勝目を上げイーブンに持ち込む。
2勝2敗で迎えた大将戦、近畿大・上田隆之(4年)VS国士舘大・木下智天(4年)、主将同士の対戦。ここで近畿大大将の上田が顔面強打の反則をなんと3つ連続して犯してしまい、木下に3ポイントを献上。結果4−3で国士舘大・木下が勝ちを拾い、これで3勝目となった国士舘大が盟主・近畿大の全日本4連覇を阻んだ。
大将の上田にしろ中堅の主原にしろ、試合内容では押していただけに、反則負けというまさかの敗退に今ひとつ納得のいかない表情の近畿大勢。近畿大・木島監督は「勝てそうで勝てないのが勝負の世界。自分で言うのも何だが、うちのチームは他の大学よりも頭ひとつ抜き出ていると思っていたが、勝負の世界にはこういう(ルールの)厳しさもあるということを改めて思い知らされた。しかし正直言って負けたことで肩の荷が降りたことも事実」と語る。また大将戦で無念の反則負けを喫した上田は「(監督から)お前らしい最後だなと言われた。それにしてもあんな負け方をするとは、4年間何のためにやってきたのかわからない」と肩をうなだれる。
こうして、ここ数年にわたって旋風を巻き起こした近畿大は反則負けという形で姿を消すことになった。

 

実に7年ぶり関東勢同士の決勝戦
日本大、関東大会の雪辱を晴らして
6度目の全日本制覇!!

 

一方、盟主・近畿大を除して勢いに乗る国士舘大は、準決勝でこれも関西の強豪・大阪商業大と対戦。大商大は4回戦で関東大会優勝の東京農大を岸本慎也(4年)、奥本健(1年)らの活躍で2勝1敗として退け、準々決勝の帝京大には3勝2敗で勝って準決勝進出を果たした。
「決勝で負けるも1回戦で負けるも負けは負け」と優勝しかないと言わんばかりの大商大・清水基示監督。大商大に分があるかと思われた対戦だったが、先鋒の岸本と中堅の奥本が勝って2勝を上げるものの、国士舘大も次鋒の板東秀和(4年)と副将の笠木大輔(4年)が勝って2勝を上げて2勝2敗とし、ガップリ四つに組む。
迎えた大将戦、国士舘大・木下智天(4年)VS大商大・橋本好生(2年)の対戦は、橋本の執拗な足払いにもんどり

008-1.gif

008-2.gif

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION