日本財団 図書館


 

[36]超大型浮体式海洋構造物に作用する波力に関する研究(その2)

今井康貴(広大)、大楠丹(九大応力研)
多数の要素浮体から構成される大型海洋構造物が沿岸域に設置された場合に、構造物に作用する漂流力を求める方法を開発した。海底は緩やかに傾斜しており、refractionはmi1d Slop equationにより表される。海岸近くでの砕波によるエネルギ吸収をモデル化するため、合流型超幾何級数を用いた海岸条件を提案する。漂流力は地形影響を強く受け、一定水深の場合にはないピークが現れる。

021-1.gif

 

[37]超大型浮体周辺の海水に対する海面遮蔽の影響について

藤野正蔵、影本浩(東大)、満田孝治(東大院)
一般に、浮体による海洋構造物は、埋め立てなどにくらべて周囲の環境への影響は小さいとされているが、超大型浮体構造物の場合は、広大な海面を遮蔽することによる環境への影響を考慮する必要があると考えられる。本研究では、モデル化された矩形領域上で、主に日射の遮蔽効果に注目した浮体まわりの海水流動の数値シミュレーションを行い、超大型浮体が周囲の海水に及ぼす物理的影響について考案した。その結果、浮体周囲には、日射の遮蔽に由来する流れが誘起されること、成層化・日射の日変化などをどのように評価するかが計算結果に影響をおよぼすことがわかった。

021-2.gif

 

[38]津波・海震の浮体に対する影響評価

吉田宏一郎、鈴木英之、細見育郎(東大)、菜畑英生(長銀)
本論文では海底の一様隆起から生じる海水の乱れを圧縮性流体と扱って解いたSellsの論文を基に、浮体に対する地震の影響を津波と海震という2つの現象に分離して考えた。そして津波に関しては、運輸省の実験構造物「POSEIDON」が被災した場合を、また海震は局部強度という観点から船底外板の曲げ強度に注目し解析を行い、それぞれに対して設計の際にどう考慮すべきかを考えた。

021-3.gif

 

[39]浮体式海洋構造物のスラスターによる長周期動揺制御

中村昌彦(九大応力研)、梶原宏之(九工大)、百留忠洋(九大総理工)、小寺山亘(九大応力研)
係留された海洋構造物横型のスラスターによる位置保持制御実験を行った結果、H∞コントローラーは波周期の運動にスラスターが反応することなく長周期動揺の抑制を可能とすること、潮流変動に応じて係留張力を制御すると、ドリフトを防止するためにスラスターを常に駆動する必要がなくなり、大幅な位置保持エネルギーの減少が期待できることがわかった。

021-4.gif

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION