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平成8年秋季講演論文概要(論文集第180号)

 

[1]波形解析結果(振幅関数)のMathieu関数展開による船型の造波特性解析

井上真一(防大)、佐々木紀幸(住重)、村上恭二(住重)、薮下和樹(防大)、鈴木勝雄(防大)

波形解析結果の振幅関数をMathieu関数に展開する方法と解析結果について報告している。展開係数は、横載面積曲線と造波抵抗の各成分に対応することから、船型改良の指針を得ることができる。波形解析結果のある3種の船型に関して、Mathieu関数展開法を施し、船型改良の方向について、各船型の妥当性を検討している。

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[2]痩型船型の船尾端形状と船尾端水位に関する研究

岩崎泰典(川重)、田原裕介(大阪府大)、真野武俊(大阪府大)、姫野洋司(大阪府大)、山野惟夫(川重)

最近の痩型船の多くでは、必要な復原性能の確保を主目的として、トランサム船尾が採用されている。本研究では、トランサム船尾の形状と船体抵抗増加を招く船尾増後方の水面の乱れとの関係を基礎的な実験と理論計算により調べ、船尾増後方の水面は(1)船尾増が死水を引きずる場合(2)船尾増直後は平滑水面であるがその後方に波崩れを生じる場合(3)船端後方は平滑で波崩れを生じない場合の3種類に分類できることを示した。さらに、船尾増後方の水面状況は静止状態での船尾増淡水量(IT)と船尾端流速(VE)とにより、この3種類のどれになるかを判定できることを示した。

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[3]セーリングヨット船型のフィンキールまわりの流れに関する実験的研究−直進時抵抗低減に関する検討−

岩嵜正城(横国大院)、伊岡森信臣(横国大院)、鈴木和夫(横浜国大)

本研究ではセーリングヨット船型の大きな特徴であるフィンキールに焦点を当て、KIT−34の模型を用いてフィンキール接合部のfilletに代わる付加物、あるいはフィンキールそのものを上下逆に取り付けたinverse taperの検討を行い、セーリングヨットの直進時抵抗低減の可能性を探った。その結果フィンキールの造波による造波抵抗の増加、容積を下方に集中させたinverse taper keelによる造波抵抗の減少等が確認された。

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