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『阿波の鳴門』調査・測定報告書
平成8年11月1日
財団法人 現代人形劇センター
理事長 宇野小四郎殿
調査・測定者 山形文夫
9月20日、調査・復元のため、借用をお願いしておりました「傾城阿波の鳴門」の種板を受取りに、青書市、島崎敏夫氏宅に伺いました。この種板は明治の中頃、駒花太夫師(本名、島崎澄)が演じていたもので、大正時代の中頃からは、使用されていないようです。
現在、種板を管理している島崎敏夫氏は、真花太夫の孫にあたります。その島崎敏夫氏も、実際には演じられた「写し絵」を見たことがなく、祖父の遺品として散逸しないよう、茶箱に収納し、保管をしていました。しかし、箱にしまい込んでいても、長い年月の間に種板にゴミが付着し糊に虫がつき、板がばらばらに壊れていくのを、防ぐことはできません。
種板を借り受けた後、10月20日から31日までの間に、10日間をかけて調査・測定を行いました。
阿波の鳴門
種板の数 15(梱包には17枚あったが、2枚は他の作品でした)
復元する種板 4(全く新しく興す)
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19枚
画数

005-1.gif

※調査研究者から指摘をされていたのであるが、脚本とつけ合わせて見ると、画教の不足が否めない。上演にまでもっていくには、最小限画は8枚、貼り付ける種板は4杖、新たに興すことが必要である。
以上報告を致します。

 

 

 

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