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審査評

芳私書道院常任理事
渡辺翠龍

 

本年も全国から四〇〇を超える各道場より、約三、五〇〇点の素晴らしい作品を拝見させて頂き感激でした。文武両道に励む少年少女剣士に頭が下ります。御指導頂いた諸先生方に厚く御礼を申し上げます。
例年通り厳しい審査をしましたが左記の点に一寸注意されたら、もっとよい作品が出来上ったんじゃないかと頭を痛めた。
一、本体は必確り書けているのに名前が小さい雑である。
一、早書きが多い「潤筆」の時は早く「渇筆」の時は遅く書くように「転折」「乙鉤」はゆっくり慎重にかくとよい。
一、昨年も指摘したように名前を書かない作品があり残念乍ら落した「落款(名前)全幅を破る」とは完全書ではないし、礼儀に反くことになる。
一、作品を作るのに名前を書くところを非常に空けている作品がある。三文字なら三文字、四文字なら四文字を堂々と書くように配分が必要である、これも完成書ではない。
一、指導者にお願いしたい事だが、指導者が書いたような字があり残念だ、素直にその子の特徴を表せばよい、これも礼に反する。
文武両道「道」とは首が走る(飛ぶ)と書きます。真剣に努力しても勝つ時もあり負ける時もあります。要は「失敗とは失敗を恐れて努力しないことである」アン王女、今年もこうだから駄目だと思い込んで精進しなかったら悔は一生残るし落伍者となる。
世界は君達の素直な努力、精進を待っている、正々堂々と活躍されんことを、いやしくも今の政財界のような、みにくい事が起こらないよう、そして世界に恥をさらさないよう、反省されんことを祈ります。
来年も立派な作品を送って下さい。

 

 

 

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