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4・3 高速走行に必要な対策

 

4・3・1 曲線条件の整備
高性能振り子車両を導入して、曲線の走行速度をどれだけ向上できるか、これは主として曲線の規格と整正レベルによって決まってくる。北線における曲線の整備状況は大筋高いレベルにある。次のような対策を行えば相当に向上した速度において安定した列車走行と線路維持が可能と見られる。
(1)曲線円度の整正
現場の作業において、整正した後は良好な曲線整正状態が提供されている。こうした良好な状態が維持されるよう、ある程度の余力を持って曲線整正に対処できるよう検討する。
(2)曲線軌道の整備
曲線の円度と合わせて軌道面の整正精度を良好に保つ必要がある。大筋は強化された軌道によって、現行の良好な整正レベルを提供することが可能と見られるが、一部軌道構造面の対策(4・3・2)が必要となる。また今後の検討からの必要に応じ、整備作業について補強していく。
(3)カントの扛上
走行速度に見合う実カントとなっていない一部の曲線について、カントを扛上する。一般的に多い対象は次のものである。
・平地に多いR=1,000m前後の曲線で、実カントを70mmに扛上する。
・山岳部の急曲線は実カントを90mmに扛上する。
個々の曲線につき速度の条件等を検討して、軌道強化の実施に合わせ扛上する方法が有効と見られる。(平地部:30km、山岳部:45km程度)
(4)緩和曲線長の延伸
緩和曲線長の不足する一部の曲線について、延伸をする。望ましい所要長の目安は次のとおりである。
R<=400m 実カントの600倍
R<=600m 実カントの800倍
R>600m 実カントの1,000倍

 

 

 

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