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(2)時間短縮に期待される方策
現在北線において、直ちに実用可能な狭軌鉄道の高速技術を活用する。そして昼間特急が十分に安定した輸送内容を以って、7時間台のサービスを提供できる方策を検討する。
北線に多い曲線において、多大な時間短縮を期待することができ、また直線の走行性能も向上されている、振り子式ディーゼルカーの導入を主軸として想定する。そして関係する種々の諸対策について検討の上、可能性を明らかにする。
(a)曲線走行の時間短縮
?@ 北線に多い曲線走行
チェンマイ寄りの山岳区間には急曲線が連続しており、走行速度を低下させる大きな要因となっている。また他の平地区間では半径1000mの曲線が一般に多く、現在は速度の制限にならないが、この上の高速化には妨げとなる。
?A 振り子式車両による速度向上
振り子により良好な乗り心地を保てる車両を用いれば、曲線の通過速度を15〜30km/hも向上することが出来る。日本ではそのテストと営業の実績が積み重ねられており、軌道の負担が増加することへの対策を始め、必要な措置を講ずれば十分安定した高速走行が得られている。
?B 効果の大きい曲線対策
向上速度の幅がたとえば同じ10km/hであっても、低速域における向上の方が相当に大きな時間短縮効果がある。
従って、曲線走行への的確な対策検討により、15〜30km/hの速度向上を実現する事は、最も重要な方策として期待される。
(b)直線走行の時間短縮
狭軌鉄道車両の走行性能は大幅に向上してきており、線路の強度や管理の向上と相まって、安定した営業走行を150km/h程度のレベルまで期待できる状況となっている。
主として次の点がクリアされて、北線の実状に着実に適合しうる方策を検討する。

 

 

 

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