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第4章 北線の時間短縮

 

4・1 時間短縮への期待

(1)時間短縮による輸送貢献
調査の概要をはじめ、既に述べたとおり、タイ国のめざましい発展を支えていく鉄道として、国鉄北線の遠距離旅客列車につき、格段の時間短縮が望まれる状況にある。
(a)バンコク〜チェンマイ間、各輸送機関のサービス
北線の昼間特急スプリンターは、バンコク〜チェンマイ間を10時間45分要し、1日1往復のみのサービスを提供している。
高速バスによる輸送は、同区間を9時間で結んでおり、回数も40回と頻度が高い。
また航空輸送も両空港間が1時間10分程度であって、アクセスも比較的近く、1日に約10往復のサービスを行っている。
(b)北線の遠距離旅客サービス
昼間特急には数年前から優れたディーゼルカーの「スプリンター」を投入して時間短縮を図り、表定速度70km/h、最高速度120km/hの運行を行っている。これはメーターゲージの鉄道としては高いレベルであるが、なお所要時間は上記の状況にあり、いま一段の短縮を目指す必要がある。
なおもう1往復の昼間快速は14時間50分を要しており、他に寝台特急が4往復、所要12〜14時間の輸送を提供している。夜間寝台特急についても時間の短縮が望ましいが、旅客の時間帯利用のニーズからして、昼間特急の短縮への期待の方が格段に優先と見られる。
(c)北線に期待される時間短縮
このような北線の遠距離輸送の現状において、バンコク〜チェンマイ間の輸送に関するモード間のシェアは、鉄道が13%と小さい。政府のチェンマイ観光事務所の入込観光客調査では、鉄道利用観光客の道路利用に対する比率が約1/2となっている。
以上のようなことから、まず昼間特急を対象として大筋次項に述べるような方策を提供することが期待される。

 

 

 

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