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験による判断をもって設定し、有効な作業に役立てている。
(2)円度整正の状況
一般的な急曲線の整正結果を示す3例をみると、正矢法による計算の計画正矢は、隣接値の差が0.5mm、曲線全長の正矢形状も良好になっている。
(3)走行列車の乗り心地
昼間特急DRCスプリンターにおける軌道を念頭においた乗車体感は、次のようであった。全線を乗車し最高速度は120km/h、うち1/3程度は前頭運転台からである。2編成各1回のサンプルに過ぎないが、大略の参考のために記した。
(a)左右動
?@ 全線一般にきわめて微少である。車輪フランジがレールに当たって若干左右に繰り返す傾向の左右動は、半径200m以下の急曲線の一部を除いて生じていない。
?A 半径180〜200mの急曲線のごく一部で、蛇行的な車体の左右動の繰返しがあった。半径200m以下という急曲線では、整正後の良好なレベルが低下すると生じると考えられる。
(b)上下動
?@ 全線を通じて一般に小さく、軌道の支持は連続した安定感を持って感じられる。
?A 例外的であるが次のところは単純上下動が生じている。
・取り付け部(橋梁、踏切り、分岐器と一般軌道)
・山岳区間の18mレールの継き目
(一部70〜80km/h程度の走行で共振の傾向)

 

3・4・6 軌道の総合的な保守方
振り子車両の速度向上に伴う増加横力を受けて、軌道保守全体として的確に対処できる必要がある。
北線で進められている軌道強化がなされれば、特に小半径の急曲線に関する保守など、或程度の留意は要するが大筋対処可能と見られる。
曲線通過速度の向上の幅については、軌道の総合的な保守力を十分勘案して

 

 

 

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