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第3章 北線の現状

 

3・1 タイ国鉄(SRT)の輸送概要

(1)経営状況
タイ国鉄の経営状況は他の諸国と同様に、自動車の普及や道路、航空路の整備により、苦しい状態が続いている。
収支はここ10年以上赤字が続いていたが、1994年からは関連事業が始まり、その収益が収入に組み入れられたため、全体としては黒字に転換しているが、鉄道営業部門については依然として赤字が続いている。
(表3・1−1)に最近5年間の収支の推移を、(表3・1−2)に1993年のSRTの営業収支を示す。
(2)輸送状況
1)旅客輸送
(表3・1−3)に旅客輸送状況を示す。1970年代から増加してきた旅客輸送量は、1980年代に入ってからは増加の伸びが鈍化し、1994年には前年より0.5%減少している。
SRTの旅客輸送の特徴としては平均乗車距離が1994年では166.0kmと日本の27.5kmに比べてかなり長い。これはタイ国鉄の輸送の主体が通勤通学輸送ではなく、都市間輸送であることを示している。
旅客列車のクラスは1等車、2等車、3等車、特別ディーゼルカー(スプリンター)に分けられる。次表に1993年の各クラス別の利用人員、旅行距離を示す。乗客の94%は都市間でも比較的近距離の3等車の利用客で占められている。

 

 

 

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