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2・6 環境問題

現在世界的な環境問題として、廃棄物の処理、森林伐採、海洋汚染、砂漠化、生物種絶滅、化石燃料消費に伴う気候変動、オゾン層破壊、酸性雨等が上げられる。
タイにおいても急激な経済発展によりこれらの環境問題が深刻となっているが、さらにタイにおいてはこれらが同時に発生しており対応の困難性が窺われる。次に主な環境問題を述べる。
(1)主な汚染内容
1)大気汚染
大気汚染の原因となるエネルギー消費は石油換算で年間3,160万トン、石油依存率が56%となっている。消費の内訳は輸送が30%、発電が29%、鉱業が20%、その他となっており、輸送、発電で半数以上を占める。また全エネルギーの半数以上がバンコクで消費されている。
2)水質汚濁
水質汚濁の主な原因は生活排水である。他に工業廃水も水質汚濁の原因となっており、チャオプラヤ河の富栄養化がすすんでいる。
3)有害廃棄物
廃棄物の問題は共通して文明国が抱える問題であるが、経済発展を遂げるタイ社会でも大きな問題となりつつある。有害廃棄物の主なものは急速な工業化による重金属有害有機物で毎年約200万トンにのぼると見られる。
(2)対応
1975年、タイ政府は環境汚染に対処するため、国家環境保全法を制定し、環境庁を新設して環境基準測定、環境モニタリングに当たった。さらに1992年から強力にこの課題に取り組むため、国家環境保全促進法を新たに制定し、科学・技術・環境省を新設した。環境対策については日本政府も調査団を派遣し、1992年に環境研究研修センター設立に協力している。

2・7 経済技術協力

(1)タイの開発計画と外国からの協力タイに対する外国からの協力は、タイが世界銀行及びIMFに加盟し、その

 

 

 

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