タイからの日本への輸出は、1985年の9.5億ドルから1993年には63.0億ドルへと拡大する一方で、日本からの輸入も24.6億ドルから139.8億ドルへと拡大し、その結果貿易赤字は15.1億ドルから76.7億ドルへと約5倍に膨れ上がっている。
今後日本市場へのタイ製品の輸出を伸ばすためにも、日本企業の直接投資に対し期待が寄せられている。
3)経済協力
日本にとってタイは最優先援助国の一つであり、タイ全体の6〜7割を日本が占めている。インフラの整備、環境保全、地域開発、人材育成等が今後の重要な課題となっている。 最近の主な援助プロジェクトとしては、東部臨海地域開発への協力、環境研究研修センター、ラマ4世高架橋等がある。また文化面においても社会教育センターや、アユタヤ歴史資料館等への協力を積極的に実施している。 2・4産業の動向
(1)農業
タイはもともと農業を経済基盤として発展してきた国であり、国内総生産や輸出に占める割合は低下しつつあるが依然として大きく、国民の2/3が農業に従事している。 輸出形態は一次産品を主体とするものから加工品へ、さらに加工度を上げたものへとシフトしており、このような状況からアクロ・インダストリーが重要な産業として育ってきている。 第7次経済社会開発計画における農業開発の目標は、農業セクターの成長率の維持を図るとともに、自然資源の保護についても重要な課題としている。 (2)漁業 タイの年間漁獲量は総計約300万トンで、世界でも有数の漁業国である。タイ国から輸出される水産物には缶詰、冷凍品等があるが、ここ数年はマグロ缶詰及び養殖のブラックタイガーエビを中心とした、冷凍水産物の輸出が安定的な伸びを示している。特にマグロ缶詰はアメリカを抜いて世界最大の供給国となっている。
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