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2・3 経済

(1)経済発展と計画
タイの経済開発計画は、1961年に第1次をスタートさせて以来30年あまりにわたってタイの経済発展に寄与している。
現在の第7次経済社会開発計画は、92年から96年の5年間を対象とした計画で、97年からは第8次計画が始まる。(タイの会計年度は10月から翌年9月まで)
1960年代以降のタイの経済発展の歩みは大きく3つの時期に分けることができる。すなわち1960年代の輸入代替工業化の進展による工業化の時代、70年代から80年代にかけての輸出指向型工業化に向けての移行時期、そして80年代以降の国際経済環境の好転に伴う輸出工業化の急進展の時代である。
現在の第7次計画は1980年代後半以降の急速な経済成長の経験の上に、タイ経済の大きな発展可能性に強い信頼を置き、世界経済との相互依存を意識し、インドシナ、東南アジア地域に経済発展の核になるための意志を力強く示す一方、経済発展の成果を生活の質の改善と、社会的公正の実現を目指す必要性を強調したものとなっている。
(2)GDPの推移
タイのGDPは、1988年から1990年にかけて3年連続で2桁の成長となったが、1991年以降のタイの実質経済成長率は平均7〜8%で推移している。1992年現在のGDPは約2兆8,000億バーツ(約1,100億ドル)で、日本の約1/33、韓国の1/3程度に達している。所得水準についてもほぼ10年ごとに倍増しており、1992年には約1,880億ドルで世界132か国中57番目に位置し、ポーランド、ウクライナと肩を並べる。(次表に1994年のタイ経済成長率の推移を示す。)

 

 

 

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