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度と保守力に関し、日本の実績等から検討した。これにより曲線は現行より15〜30km/hの向上、直線は最高150km/hとした。
(4)短縮時間
上記最高速度の範囲で実際の運転に用いる制限速度を想定し、途中9駅停車として所要時分を算出した。
バンコク〜チェンマイ間の所要時間は、6時間57分となり、現行の10時間45分に比べ、約3時間50分の短縮が見込まれた。
(5)実施の参考事項
今回は予備調査であり、実施上の具体的な判断に供する調査を行っていないが、大筋の方向を考慮する参考に、検討内容を紹介した。
(a)利用客の増加
時間短縮により、新しい特急列車に転移する輸送量は、人口増のみをべースとした低い推算で、約1,200人/日となった。
(b)営業上の対策効果
上記の利用増に対応する収入増加は、現運賃のままで年に約200百万バーツと推算された。一方営業費の増加は、約100百万バーツと試算され、営業上の効果は大きいと見られた。
(c)対策費
列車設定の規模に関係しない地上の対策費は、9億円の規模となった。車両費は列車ダイヤの構成や、編成の定員の決め方により車両数が変わる。かりに上記の利用増に対応する今回コンセプトのゆとりある車両の場合、1両あたり2億円とすると、70億円の規模となる。
(d)その他
・この時間短縮の実施までに要する期間は、軌道強化工事の現在の終了目標時期と、概ね整合する関係にある。
・今回検討レベルの時間短縮よりもさらに一段先、狭軌線の能力いっぱいまで検討することの可能性について記した。

 

 

 

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